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 今年も胃が痛くなる季節がやってきた。「驚くような応募はありそう?」。上司のつぶやきが、空腹の胃にズシンとくる。

 優れた情報システムを構築・活用した企業を発掘・表彰するイベント「IT Japan Award 2009」プロジェクトが1月15日に本格始動したからだ。特に今年は弊社の40周年記念事業の一環として開催する。事務局運営を兼務する記者はすでに大きなプレッシャーを感じている。

 世界的な経済状況の悪化で、昨年後半から多くの企業がIT投資を絞り込んでいる。取材では目先のコスト削減策といった暗い話題が多く、新規事業創出や売り上げ拡大に貢献するシステム投資案件の話題はほとんどない。

 しかし、こういう状況だからこそIT活用でライバル企業に一気に差を付けるチャンスでもある。不況を打破するヒントになるようなIT活用事例を数多く集め、広く共有していきたい。

明るい話題を提供するシステムに期待

 今年はいったいどんな企業が、IT Japan Awardを獲得するのだろうか。応募内容の審査や受賞企業の選定は、外部の有識者によって公明正大に行われる。記者がいろいろと想像しても仕方がないのだが、今年の受賞企業を想像してみた。

 まず、「カネ(キャッシュ)」にかかわるシステム活用があるだろう。消費動向や経済状況の変化による影響を素早く把握・分析できるような仕組みや、自社やグループ企業の資金繰りを管理するシステムなどは時節柄、関心が集まりそうだ。生産・調達費や物流・販売費などのコスト削減に貢献するシステム構築・活用事例は、特に注目を集めるのではないか。

 リスクマネジメントにかかわるシステム活用も候補の一つとみられる。システムトラブルの社会的影響が大きくなる中で、トラブルに強いアーキテクチャを採用したシステムや、ユニークな障害対策を施したシステムなどに対する関心が高まっている。新型インフルエンザ対策といった最近話題のパンデミック(世界的な大流行)対策で、ITを活用しているような先進事例にも着目したい。

 新サービス/製品の開発・提供や新規事業の創出、新規顧客の獲得といった“明るい”話題を提供するシステム活用への期待も高い。iPhoneなど新しいデバイスを活用したシステムや、画像認識・音声認識といった技術を活用したシステム、様々な角度から消費者の嗜好や購買動向を瞬時に分析できる情報システムなどがあるだろう。最近、よく話題に上る「デジタルサイネージ(電子看板)」を活用したシステムも気になるところだ。

 個人的に期待しているのは、昨年のIT Japan Award 2008で準グランプリを獲得した「青物横丁商店振興組合(東京都品川区)」のような中堅中小企業・団体のIT活用例だ。同商店街は携帯電話を活用したCRM(顧客情報管理)システムを活用し、顧客の開拓・囲い込みを図った。

 中堅中小企業・団体のIT活用は規模こそ小さいものの、アイデアがあふれている。金属加工などを手がける製造業、工務店などの建築・建築業、病院や薬局、スーパーなど小売業でのIT活用事例の中に、不況を乗り切るヒントが隠されているのではないかと記者は考えている。

 もちろん、日経コンピュータで紹介することが多い大企業の業務システム分野にも期待している。仮想化技術などを採用したシステム基盤の再構築や、クラウドコンピューティングの活用、M&A(企業の合併・買収)をにらんだ大規模プロジェクトなどは、グローバルな競争を強いられている企業の参考になるだろう。

 IT Japan Award 2009の募集は始まったばかり。締め切りの3月16日まで、「応募が集まるかどうか」という不安と、「どんなユニークな案件が集まるか」という期待が交錯する日々が続きそうだ。

 この場を借りて、ITpro読者の皆様にお願いがあります。ぜひ、IT Japan Award 2009に御社のシステム構築・活用事例をご応募ください。募集要項や応募方法については、特設Webサイトをご覧ください。