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 ソフトウエアアーキテクトの仕事を,「ステークホルダ」「ビューポイント」「パースペクティブ」の3つの基本概念を軸に分析した。

 著者はいずれも現役のソフトウエアアーキテクト。執筆の背景には「アーキテクトの重要性は認識されてきたが,その仕事内容について意見の一致を見ることが少ない」という問題意識がある。

 そうした思いは,基本概念を説明した第1部にはっきり表れる。「定義」や「原理」「戦略」といったラベルを使い,あいまいに認識されがちな用語を明確化しながらアーキテクトの役割をひも解く。例えば「アーキテクチャについての関心事」は,「ステークホルダがそのアーキテクチャに対して持っている要求や目的,意図または強い願望である」と定義。言われてみれば当たり前だが,明文化されると腹に落ちる。

 スコープについて合意を得るといったアクティビティの説明は,第2部で展開される。ここまで読めば,ソフトウエアアーキテクトとして実践すべき仕事が押さえられる。アーキテクチャ記述に必要なビューポイント,セキュリティといったパースペクティブについては,それぞれ詳細なカタログを収録。特に上級者にとって資料価値は高い。

システムアーキテクチャ構築の原理

システムアーキテクチャ構築の原理
ニック・ロザンスキ/イオイン・ウッズ著
翔泳社発行
5040円(税込)