PR

 国内の大手インテグレーターが合併して発足したソランでは,国内の6事業所と地域子会社によって全国をカバーし,地域密着型のソリューションを提供してきた。現在は欧米,中国,インド,ベトナムにも事業を拡大して技術交流を図るとともに,社内でベンチャー事業を立ち上げて将来への布石を打っている。本講演では,“挑戦”をスローガンに掲げ,顧客の付加価値の増大を目指す同社の戦略が紹介された。

ソラン 取締役 副社長執行役員 齋藤 實 氏
ソラン 取締役 副社長執行役員 齋藤 實 氏

 ソランは早くからグローバルにビジネスを展開してきたが,それぞれの地域で事業上の目的が異なるとソランの齋藤實氏は語る。

 「欧米はソリューションの提携先です。例えばドイツ企業とは,家電製品をインターネットに接続し,パソコンや機器間で相互にサービスを提供するためのサービスプラットフォームであるOSG(i Open Services Gateway Initiative )技術の普及・推進で提携しています。一方,中国とベトナムは人材の育成の場と位置付けています」。

 中国には15年前から進出し,北京,天津,西安に拠点を設置。オフショア開発を受託するとともに,アニメーション制作なども手掛けているという。さらに齋藤氏は,海外の技術を利用した新たな進出分野の一例としてインドの企業との協業によるインターネットバンキングシステム「FLEXCUBE」を挙げ,「安全な決済手段としてのインターネットバンキングの開発と運用で実績を上げてきました」と話す。 またRFID(無線ICタグ)の分野での事業展開にも触れ,「プラントメーカー向けに提供しているサービスで,プラントのメンテナンスコストを削減するのにRFIDを活用しています。バルブにRFIDを張り付け,装置のメンテナンス状況を管理して納期短縮や人員削減の実現を目的に,プラントメーカーと協働して実証実験を行い,実稼働に向けてプロジェクトを推進しています」とITの適用範囲を拡大する試みを紹介するとともに,「最近の事例としては宇宙事業が挙げられます」と,同社が提供する衛星監視制御システムを紹介した。地上局から衛星をコントロールする汎用的なシステムを開発し,その運用まで担当している。

 さらに同社は,来年1月に打ち上げが予定されている温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」に,民間企業としては唯一「かがやき」という相乗り衛星を提供。難病に苦しむ子供たちの夢や想いを,衛星に搭載して宇宙に運ぶなどのイベントを準備している。「当社は長年,難病や障がいを持つ子どもたちとその家族を支援する活動に取り組み,CSR活動にも力を入れているのです」と,齋藤氏は強調する。

ワンストップでサービスを提供し見えざる資産価値の創造を目指す

 こうした同社のサービスポリシーは,「ひと言で言うと,お客様の見えざる資産の付加価値を創出させていただくことにあります」と齋藤氏は語る。

 ユーザー企業が持つ人材,知財,ブランド,ビジネスモデル,企業風土といった“目に見えない資産”に対し,同社の通信・基盤サービスを土台とした金融,公共,宇宙,製造,流通,医療,情報サービスといった得意分野のノウハウをワンストップで提供することで,価値の創出や向上を図るというものだ。

 齋藤氏は,その具体的なサービス事例を2つ紹介した。ひとつは報告業務アプリケーション「ビジネス電書鳩 Re:port」である。「モバイルを伝書鳩にみたてて,客先,移動先で必要となる情報と,本部や関係者間で必要とされる情報を相互に伝達し,ビジネスのスピードを向上させるSaaS型オンデマンドサービスです。ユーザーは標準で提供される報告業務フローと報告情報項目に変更や修正を加えることで報告業務が行えます。情報はデータセンターで管理され,オンデマンドで利用できますから,お客様は新たな投資をすることなく簡単に利用を開始できます」(齊藤氏)。

 もうひとつが携帯電話を利用した自動販売機向け決済システム「MicroPayment」だ。自動販売機での決済を携帯電話で行えるというキャッシュレス時代に対応したシステムで,「現在,全国に300台のカードリーダー付き自動販売機を設置しています。売り上げ情報はデータセンターで集計して決済され,クレジットカード会社にまとめて報告されます。今後,加速度的に広がると予測しています」と齋藤氏は,B to B to C型の新たなビジネスモデルの可能性に期待する。

サービスポリシー ~顧客の見えざる資産の付加価値創出~
サービスポリシー ~顧客の見えざる資産の付加価値創出~
[画像のクリックで拡大表示]

IT社会を創るための人間力を磨き真のパートナーとしての信用を得る

 こうした同社の根底にある運営ポリシーについて齋藤氏は,「次代を創るリーダーに求められる能力として人間力を重視しています。人間力とは,夢やビジョン実現のために具体的に構想を語れる力であり,そこまでいかなければリーダーとは言えません」と話す。

 齋藤氏はリーダーに必要な素養として,人間的に魅力があり,孤独に強いこと,公正であること,どこにも所属しない時間があること,仕事を越えた多種多様な人間関係があることを挙げ,「これからは優れた対話能力があって,強い意志と幅広い情報を持ち,新しいことを実現しようという挑戦的な姿勢が必要です。当社には社内ベンチャー制度があり,先ほど紹介したサービス事例も,そこから生まれてきたものです」と人間力を持ったリーダーが同社を変えていくことを示唆した。

 続けて,「IT社会を創るのは人間力です。コミュニケーション力とは,人の心を察することや,思いやることであり,相手を思いやりながら愚直に仕事に取り組むことが新しいビジネスチャンスにつながるものです。人間力は,自分を愛することから生まれます。そこから相手を思いやる心が生まれ,仕事を通して社会に貢献できるのです」と人間力の重要性を説く。

 最後に齋藤氏は「人間力を競争力のベースに,お客様第一の経営を心掛けています。パートナーとして信頼していただいていることに常に感謝し,人間力によって信用力を創り,お客様のさらなる価値向上を目指し,お客様とともに成長していきたいと考えています」と語り,謙虚さを持ちながらも挑戦的に取り組んでいくことを強調して講演を締めくくった。