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製品の特徴を説明することよりも、顧客が抱える業務面の解決法を探ることを優先。システム導入のROI(投資対効果)を定量化するなどして、顧客の心をつかんだ。

 「えっ、もう連絡いただけたんですか」。この日かかってきた1本の電話に、日産自動車の法人営業部門であるフリート事業部(2008年4月に新会社・日産フリートに営業機能を移管)のフリートマーケティング部主担(当時)、清原正承は目を丸くした。2006年5月29日のことだ()。

表●日産フリートが営業支援システムをソフトブレーンに発注するまでの経緯
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表●日産フリートが営業支援システムをソフトブレーンに発注するまでの経緯

 電話の主は、ソフトブレーンのアカウント営業部担当部長である久保田博だった。日産の清原はこの日、ソフトブレーンのWebサイトを見て、営業支援ソフト「e-セールスマネージャー」の資料を請求していた。久保田は問い合わせを確認すると、すぐに電話に手を伸ばし、清原にコンタクトしたのである。

パッケージとASPを比較・検討

 フリート事業部は、日産の商用車やタクシー車両など、主に法人向けの自動車を扱う営業部隊である。日産はフリート事業部の営業成績が思うように上がらないため、営業支援システムを導入することで効率を高めることを考えたのだ。

 プロジェクトリーダーとして白羽の矢が立ったのが、コンピュータプログラミングの知識を持ち、システムに関しても詳しい清原である。清原はすぐに調査に取り掛かった。

 システム化の方法として清原は、自社開発するのではなく、パッケージソフトを適用するか、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)サービスを利用することにした。手間とコストをかけないためである。この過程で清原が目を付けたのが、ソフトブレーンなど数社の製品とサービスだった。

 このうち外資系ベンダーのパッケージソフトについては、実際に導入したユーザー企業にヒアリングを実施。「思ったよりも導入コストが高かっただけでなく、導入後の利活用が進まず、最終的に自社開発で作り直すことになった」との声を聞き、候補から外すことにした。最終的に候補として残ったのが、ソフトブレーンとASP大手のA社である。

 久保田が清原に初めて電話した翌週の6月9日。東京都内にある日産のオフィスを訪れた久保田から説明を受けて、清原は驚いた。久保田がe-セールスマネージャーの機能や導入のメリットに関する説明を、短時間で済ませてしまったからだ。

 製品紹介をあっさりと終えると、久保田は清原にこう言った。「一緒に解決策についてアイデアを出しましょう」。

 清原は、日産が営業支援システムを導入することを決めた経緯や、フリート事業部の営業業務の実態と課題について話した。久保田が必要に応じて清原に質問するなど、久保田のプレゼンテーションというより、意見交換の場になった。