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 新幹線など列車の運行停止、株式売買システムのストップ、ATM(現金自動預け払い機)の停止、国家試験の採点ミス――。これらは、2008年に発生したシステムダウンのほんの一例だ。

 2009年もどこかで大規模かつ深刻なシステムダウンが発生する可能性は否めない。アプリケーションのバグの表面化、ハードの故障、パラメータの設定ミスの発覚など、様々な原因が考えられる。しかも、何の前触れもなく不測の事態が起こるのが、システムダウンのやっかいなところだ。

 システムダウンの被害を最小限に抑えるには、原因をできるだけ素早く突き止め、1秒でも早く応急処置を施すことが必要である。どんなトラブルが起こりやすいのかをあらかじめ推測できれば、影響の拡大をある程度は抑えられる。

 そこで、本特集では5日連続で、2009年はどんなシステムダウンに特に注意すべきなのかを展望する。世界的な金融危機によるITコストの削減、あるいは法改正による影響など、2009年特有の動きをふまえ、注意すべきポイントを提言する。

休日なのに平日の処理が起動する恐れ

 2009年に注意すべきシステムダウンの一つめは、9月の5連休対応だ。今年のカレンダーを見ると、9月19日(土)から23日(水)にかけて5連休がある。21日(月)の敬老の日と23日(水)の秋分の日は分かるが、22日(火)はどうして休日なのか。

 これは「祝日と祝日にはさまれた日は休日」という祝日法に基づいている。2003年の祝日法改正によって、敬老の日が「ハッピーマンデー制度」の適用対象となり、9月15日から「9月の第三月曜日」に変わった影響だ。2003年以降、敬老の日と秋分の日が2日違いとなり、かつ間にはさまれた日が平日という条件を満たす初めての年が2009年なのである()。

図●2009年9月のカレンダー
図●2009年9月のカレンダー

 ここでシステム関係者が注意すべきなのは9月22日(火)である。気をつけないと、この日にシステムがダウンしたり誤作動したりする可能性があるのだ。

 理由を説明しよう。システムは一般に、曜日や日付によって、運転時間や実行する処理を変えるケースがある。銀行のATMサービスが典型例。休日と平日でサービス提供時間や利用料を変更している。

 休日かどうかの判定は、システムが保有するカレンダー情報を参考にする。このときカレンダーに不備があると、例えば2009年9月22日は休日にもかかわらず平日用の処理が起動してしまう恐れがある。その結果、最悪の場合はシステムがダウンして利用者に大きな影響が出る。

 5月6日(水)も注意すべき日だ。この日は5月3日(日曜日)の「憲法記念日」の振替休日。だが2007年1月1日施行の「祝日法」改正をシステムに反映していないと、平日と誤認する恐れがある。

 法改正では5月4日が「みどりの日」として祝日になった。改正前も「祝日と祝日の間の日は休日にする」という条件に該当するために休日だったが、改正後は休日ではなく祝日という扱いに変わったのである。さらに、祝日が日曜日と重なった場合、2007年からは「月曜日以降、直近の祝日でない日を休日にする」ルールに変わった。これにより2009年5月6日は5月3日の振替休日となる。

 このように、5月と9月の連休前にはカレンダー情報の再確認が必要だ。カレンダー情報は、運用ツールなどでパラメータとして設定・保有するのが一般的である。このようなパラメータ情報の設定や変更を忘れる、いわゆる「うっかりミス」によるシステムダウンは頻発している。カレンダー情報に限らず、法改正やシステム変更の際にはパラメータ情報の総点検が欠かせない。