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 端末の高機能化については,画面の大型化や演算処理性能の向上でハードウエアが進化する。2008年の冬モデルでは,米アップルのiPhoneに続けとばかり,大画面のタッチパネルによる直感的な操作性や,動きを検知する加速度センサーを使って画面の向きを切り替えるといった機能を備える携帯電話が増えてきた。

 端末のハードウエア,ソフトウエアの両面における進化を促すうえで大きな役割を担うのが,オープン・プラットフォームである(図1)。従来は,携帯電話事業者と端末メーカーが共同で独自の端末を開発してきたが,最近では携帯電話事業者4社が同じ台湾HTC製のWindows Mobile端末を採用するなど,端末のオープン化に向けた流れが加速している。

図1●オープン化で携帯端末やサービスが大きく変化<br>Windows MobileやAndroidといったオープン・プラットフォームを採用した端末の存在感が高まる。オープン化が海外メーカーなど多数のプレーヤの参入や開発効率の向上を促し,結果として端末の高機能化につながる。写真は左から,米T-モバイルUSAの「T-Mobile G1」,イー・モバイルの「Dual Diamond」,日本通信の「i-mate Ultimate 8502」。
図1●オープン化で携帯端末やサービスが大きく変化
Windows MobileやAndroidといったオープン・プラットフォームを採用した端末の存在感が高まる。オープン化が海外メーカーなど多数のプレーヤの参入や開発効率の向上を促し,結果として端末の高機能化につながる。写真は左から,米T-モバイルUSAの「T-Mobile G1」,イー・モバイルの「Dual Diamond」,日本通信の「i-mate Ultimate 8502」。
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 携帯電話事業者にとって端末オープン化のメリットの一つは,端末の開発期間を短くできること。従来は「マイナーチェンジ版でも,発売までに1年以上かかる。オープン・プラットフォームを採用する場合は,それほど時間がかからない」(イー・モバイルの阿部副社長)。開発期間を半年程度にできることもあるという。

iPhoneは短期間に1万アプリを獲得

 ソフトウエア開発者にとっては,アプリケーションを自由に開発できることがメリットになる。ユーザーにとっては,豊富にそろった中からアプリケーションを選べるのが魅力となる。

 ソフトウエア開発者の支持を得て短期間で成果を上げたのが米アップルのiPhoneだ。無料のSDKを配布して開発を促すとともに,アプリ流通システム「App Store」で開発者が簡単にアプリを登録,全世界を対象に販売できるようにした(関連記事)。ユーザーはApp Storeを通じて自由にダウンロードでき,収益は開発者とアップルが分け合う。2008年末の時点で1万を超えるアプリケーションが登場している。

 このようにアプリ開発を重視し,開発者を支援する取り組みがほかにも広がり始めた。米グーグルは携帯プラットフォーム「Android」のSDKを公開し,アプリの配信サービスを開始した。フィンランドのノキアを中心とする組織Symbian Foundationは,2009年に統一化したSymbian OSのプラットフォームを公表する。

 アプリの開発支援が弱いと言われていたWindows Mobileも,開発者支援に本腰を入れ始めた。国内で開発者を支援するWindows Mobile開発事務局を2008年12月に設立したのだ。NTTドコモ,KDDI,ソフトバンクモバイルなど国内の事業者6社が運営に協力する。

 NTTドコモも「iモードと同様に,アプリ課金の仕組みを用意するなど,Windows Mobileのサービスをビジネス化する基盤を作る」(同社フロンティアサービス部 アプリケーション企画 山下哲也担当部長)。将来的には,NTTドコモの端末だけでなく,他社でも利用できるように課金の仕組みをオープンにする構想もあるという。