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スケジュール帳やメモ帳、小物入れに至るまで、顧客企業の担当者の好みに合わせてブランドを選んでいる
 「君の名前は営業向きだ」。ユニアデックスのある役員は、“狼”と名乗った学生に向かってこう言い切った。新卒採用の面接での出来事だ。こうして、SE(システムエンジニア)志望だった一人の学生が営業としてユニアデックスに入社した。

 ほとんどの顧客がどう猛な動物を連想するだろう“狼”という名前は、初めて会う顧客に強いインパクトを与える。営業担当者として何よりありがたいのは、「初対面であっても話を聞いてもらうきっかけをつかむことができることだ」と狼は言う。

 だが、名前の力だけでトップ営業になれるわけではない。狼は、名前が持つ荒々しいイメージとはほど遠い地道な努力を積み上げてきた。

 それは、顧客と共有できる話題を探し出すことで、打ち解けて話ができる身内のような関係を築くことである。アカウント営業である狼にとっては、特定の顧客企業と長く付き合うための術だった。

 顧客企業のIT部門は、常に最新の技術動向を追っている。最先端のデジタル機器に関心を持つ担当者が多い。狼がブルートゥース対応の携帯電話機とイヤフォンを持ち歩くのも、こうした担当者との話題作りを考えてのことだ。

 顧客企業の担当者が鉄道好きと知ると、鉄道関連の書籍を読みあさる。人気の高いミステリー作家の作品も読んで、会話の糸口として役立てている。

 話題の引き出しを増やす一方、仕事では顧客から信頼される対応を心掛けてきた。地方拠点でトラブルが発生すれば、営業担当である狼が自ら代替部品を抱えて飛行機に飛び乗り、現場に駆けつけた。どんなに無茶な納期を要求されても、社内の技術担当者を説得することで、可能な限り応じてきた。

 努力のかいがあって、最も付き合いの古い顧客企業からは、入社5年目ころから指名買いを受けるようになった。入社6年目となる2007年には、5億円規模のデータセンター構築案件を受注した。

 この顧客企業は、狼が入社したころは先輩社員が開拓したばかりの新規顧客だった。その後を狼が引き継ぎ、ネットワーク関連インフラの7割を任されるまでにした。

=文中敬称略

狼 秀明(おおかみ ひであき)
ユニアデックス
ソリューション事業グループ
インテグレーション営業統括部 営業一部 主任
1978年生まれ、千葉県出身。2001年3月に流通経済大学経済学部経営学科を卒業。2001年4月、ネットワークの構築や運用・保守を手掛けるユニアデックスに入社。入社から一貫して金融機関のアカウント営業を担当している。初めて受注した案件はネットワークの設定変更作業で、受注規模は9万円ほどだったという。趣味は買い物や読書。