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 米Microsoftの仮想化戦略は急速に充実してきており,仮想化に関する同社の方向性や製品を追いかけることは難しくなりつつある。われわれが先日同社を訪問した際に,同社インテグレーテッド仮想化戦略グループ・ディレクタのDavid Greschler氏は仮想化プラットフォームの展望を話してくれたので紹介しよう。そのなかで同氏は,企業向けのアプリケーション仮想化ソフトウエア「Microsoft Application Virtualization(App-V)」と仮想デスクトップ管理ソフトウエア「Microsoft Enterprise Desktop Virtualization(MED-V)」について,その目的と役割を説明してくれた。ちなみに,Greschler氏は仮想化技術ベンダーである米Softricityの創業に参加した人物で,SoftricityはMicrosoftに買収された(関連記事:米Microsoft,Windows Server向け仮想化技術などの提供計画を発表,米Softricityを買収へ)。

 同氏は,Microsoftの仮想化戦略を支えている4本の柱があるとした。1本目は,仮想化市場で主要な立場を占めている各社と異なり,Microsoftは製品というよりもプラットフォームの会社だということ。2本目は,同社の仮想化技術が例外なく管理機能を中心に結びつけられていること。3本目は,複数の階層での仮想化に取り組んでおり,プレゼンテーション層,アプリケーション層,デスクトップ層,サーバー層それぞれに仮想技術を用意していること。そして,4本目がコストだとする。同氏が指摘したように,Microsoftは価値の高いソフトウエアを安く提供することで知られている。同社の顧客によると,同社製仮想化ソリューションのコストは,米VMwareの同等製品に比べ3分の1で済むという。

Terminal ServicesをRemote Desktop Servicesに名称変更

 さらに同氏は,同社の仮想化製品に関する極めて重要なニュースを教えてくれた。「Remote Desktop Services」とApp-V,MED-Vに関する話題だ。まず,仮想化のプレゼンテーション層について,同氏は「『Windows Server 2008 R2』の『Terminal Services』をRemote Desktop Servicesに名称変更することで,組織全体にデスクトップとアプリケーションを配信するという役割を分かりやすく表現できる」と指摘した

 続いて同氏は,App-VとMED-Vの背後に隠された目的を説明した。App-V 4.5は実質的に,同社がSoftricity買収で手に入れたデスクトップ・アプリケーション製品「SoftGrid」の最新版であり,アプリケーション仮想化機能を提供する。App-Vのクライアント・ランタイムを使うと,組織内のクライアント・システム上で仮想化アプリケーションを動かせる。仮想化アプリケーションは,クライアントのファイル・システムやレジストリを変更することなく,クライアント・デスクトップにインストールして実行可能だ。App-Vによって,仮想化アプリケーションの配信/管理作業を「Active Directory」経由で集中化できる。詳細は,同社のWebサイトに掲載してある。

 もう一つのMED-VはApp-Vと全く異なり,同社の仮想化ソフトウエア「Virtual PC」をベースとするデスクトップ仮想化ソリューションである。「VMware Fusion」や米Parallelsの「Convergence」といったMacintosh用仮想化ソフトウエアとよく似ており,仮想マシン上で動くアプリケーションとパソコンのデスクトップをシームレスに統合する。

 自分の使っているOSに対応していないアプリケーションを動かそうとした場合,パソコンで仮想マシンを運用するという複雑な作業を使わなければならないことがある。MED-Vを利用すると,こうした手間を省いてOS非互換アプリケーションを実行できるのだ。Virtual PCの機能はバックグラウンドで動くため,エンドユーザーはMED-Vで仮想化されたアプリケーションを通常のデスクトップ用アプリケーションと同じように使える。詳細は,同社のWebサイトに掲載してある(関連記事:Microsoft,仮想化デスクトップ管理ソフト「MED-V 1.0」のベータ版を公開)。

 同氏は,買収した米Calista Technologiesの技術をベースとした,今後リリースするほかの仮想化技術にも触れた(関連記事:Hyper-VとXenは相互運用可能,MSとシトリックスがそれぞれ説明会)。これは,高度なグラフィックス機能を必要とするアプリケーションが仮想マシン上でも物理マシン上と同じようにうまく動くよう,仮想的なグラフィックス・プロセッサ(GPU)を実現するための技術だ。

 同氏と行ったミーティングの一部音声は,Webサイトで聞くことができる。