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 本田宗一郎氏と藤沢武夫氏の例に代表されるように,優れた経営者は名補佐役,すなわち「右腕」の支援を得て,その本領を発揮するといわれる。右腕は必ずしも,最初から有能だとは限らない。平凡に見える人材も,トップがその潜在能力を見いだし,強みを伸ばしていくことで名補佐役に成長する。その「伸ばし方」をコーチングの観点から解説したのが本書だ。

 本書では右腕の役割を,トップを補完する「サプリメント」,トップの意思を組織のメンバーに分かりやすく伝え,その行動を促す「トランスレーター」,社内のきしみを吸収して混乱を防ぐ「ショックアブソーバー」など6つに分類し,それぞれの能力を育てていくための手法を7つのフェーズで解説する。トップと右腕の間で十分な相互理解を図り,価値観やミッションを共有し,ゴールを決めて実行計画を作って,遂行状況を確認していくといった具合だ。

 いずれのステップでも,トップ自身が右腕となるべき人材の思考や性格,成長度に目を配り,コミュニケーションを密にすることの重要性を説き,その「定石」を実践的に解説する。経営トップだけでなく,部門やチームのリーダーすべてに役立つ1冊といえそうだ。

「右腕」を育てる実践コーチング

「右腕」を育てる実践コーチング
細川 馨著
日本経済新聞出版社発行
2100円(税込)