PR

 先日,確定申告で医療費控除を受けるために税務署を訪れ,そこに設置してあった「国税電子申告・納税システム」,いわゆる「e-Tax」を初めて使ってみた。自宅からインターネットで確定申告などができるというシステムだ。

 その場に待機している担当者に何度か質問をしつつ,なんとか手続きを終了。終わってしまえば,それほど難しいところはなかったように思う。しかし,細かいところで引っかかり,自宅で一人で手続きをするのはなかなかハードルが高そうだな,と感じた。

 筆者が足を運んだ税務署の確定申告の会場は,紙で書類を書くコーナーと,パソコンを使って書類を作成するコーナーに分かれていた。医療費控除の申請はこれまで妻が行っていたので,どちらを使うかちょっと迷ったが,住所や名前など同じ項目を何度も繰り返し書かなくて済むのではないか,記入ミスがあったらシステムが指摘してくれるだろうから提出時の間違いが少なくなるのではないか,という期待を込めてパソコンを使うコーナーに進んだ。

 そのコーナーにはノートPCが30台ほど置いてある。平日の午前中ということもあってか,利用者は10人程度。税務署の担当者と思しき人が3人ほどコーナーをぐるぐる回っていて,呼び止められては質問に答えている。ほとんどのパソコンにe-Taxの最初の画面が表示されているのだが,なぜか,Windowsのデスクトップが表示されているパソコンも何台かある。システムを使い終わった人が,ウィンドウを閉じてしまったのだろう。

 試しに,デスクトップにあるe-Taxのアイコンをクリックしてみた。だが,認証を求められるのでシステムを起動できない。すなおにe-Taxの画面が表示されているパソコンの前に進んだ。

用語と入力方法で戸惑う

 e-Taxを利用するためにはまず「開始届出書」を(オンラインで)提出して利用者識別番号・暗証番号を受け取る必要がある。その後,申告・申請などの手続きをして,納税手続きを行う,という手順になる(医療費控除の場合は納税手続きはいらないが)。手続きを通じて,細かく迷ったことはいろいろあったのだが,担当者を呼んで質問をする事態に陥ったことが2回あった。

 1回は,画面上で使われている用語がわからなかったこと。確定申告など普段していないこともあり,「納税地」と書かれた欄に何を記入すべきなのか,迷ってしまったのだ。「税を納めるところだからこの税務署の住所?」などと考えて担当者に聞いてみたら,自宅の住所を書けばいいとのこと。それなら自宅住所と書いておけばよさそうなものだ。個人事業主の場合,自宅住所とは別に事務所住所を「納税地」として選ぶことができるから,そのように書いてあるらしい。

 もう1回は入力方法に関してである。「納税者カナ氏名」を入力する際に,ATMなどで表示するときのために半角カナで入力してください,といった指示が表示された。確かに,ATMの振り込みで表示される口座名は半角カナだな,などと思いつつ,筆者の氏名をひらがな入力し,「F8」キーで半角カナに変換。次の画面に進むボタンをクリックした。

 すると「使用できない文字が入力されています」とのメッセージが表示され,先に進めない。入力に関する説明を別ウィンドウで表示させて,ざっと眺めてみたが理由がわからない。担当者に聞いたが,担当者も首をひねるばかりだ。

 実は,原因は単純なことだった。筆者の名前には「なかじょう」と小さな「ょ」が含まれている。それをそのまま入力して半角カナに変換してしまったのがまずかった。「なかじよう」と入力して半角カナに変換しなければならなかったのだ。

 別ウィンドウに表示されている入力に関する説明を,もう一度じっくり読んでみる。確かに「小さな文字は使えません」として,「ァ」「ィ」「ゥ」・・・が挙がっている。後ろのほうに「ョ」もある。筆者の完全な見落としだった。

 しかし,名前として小さな文字が使われる頻度は「ャ」「ュ」「ョ」のほうが,「ァ」「ィ」「ゥ」よりも圧倒的に高いのではないだろうか。五十音順に並べたのだろうが,自分のミスを棚に上げさせてもらうと,ちょっと腑に落ちない気がしないでもない。

 ともあれ,無事にすべての入力を終え,提出用書類をプリントアウトする。プリンタは3メートルほど先の机の上にあるのだが,取りに行く間,パソコンの前を離れないといけない。途中の画面なので誰かが使い始めることはないと思うが,気にかかる。

 と言って,システムを終了させてから取りに行くのでは,その間,個人情報が記載された書類がプリンタに放置されているわけで,それも不安である。とりあえず,筆記用具など差しさわりの無さそうな私物を置いて利用中であることをアピールしつつ,プリンタまで急ぎ,書類を取ってきた。

 あとはプリントアウトした書類と領収書等を提出するだけである。これは問題なく終えることができた(本当は,手書き書類とパソコン出力書類で提出する場所が異なっていて迷った)。「喉もと過ぎればなんとやら」で,次に確定申告をすることがあったら今度は自宅からやってみようと思って,e-Taxのホームページを見ると,利用するパソコンには「e-Taxソフト」と「ルート証明書」をインストールしなければならないとのこと。

 なんとなく,またわからないことが出てきそうな気もする。だが,それは必要に迫られてから考えることにしよう。