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 今回取り上げるのはTwitterを使ったセンシングである。

 管理職やマネージャ,リーダーという立場であれば,報告・連絡・相談といった形でメンバーとコミュニケーションをする機会は多いはずだ。また,定期的に個人面談を行う組織も多い。これらをこまめに実施することで,メンバーの考えていることや悩んでいることをセンシングできると考えられるかもしれない。

 しかし,これらの“オフィシャルな”コミュニケーションだけでは,メンバーの本音を引き出すのは難しい。これは私だけの経験ではなく,何人かの管理職からも同様の感想を聞いている。面談の場では「辛くても大丈夫だ」と言ってしまったり,問題を抱え込んでしまったりする人もいるのだ。

 もちろん,面談にもテクニックはある。例えば,
・相手の正面ではなく,斜めの位置に座ることで心理的な距離を近くする
・あえて狭い会議室を選び,うちとけた密接な雰囲気を出す
・最初は雑談から入り,場を柔らかくする
・話を引き出し,聴くことに集中する
といったことが挙げられるだろう。

 だが,面談による「聴き込み」には制約がある。IT業界にはよくあることだが,客先常駐や出張により,メンバーと会う機会が少ない管理職も多い(かくゆう私がそうである)。面談による濃密なコミュニケーションは貴重であり,本当に大事な話をする場合には会うべきだろう。ただ,頻度が少なければ,センシングとしての価値は薄くなってしまう。もっと頻繁に,もっと生々しい声を聞きたい。

 では,メーリングリストや社内掲示板を使ったコミュニケーションはセンシングには有効だろうか。これらの手段は,IT業界においてはもはや当たり前のように使われ,導入に対する抵抗も少ない。既に活用されている方も多いだろう。

 これらをすべて利用している私の評価としては,やはりこれらは情報共有のためのツールでしかない。センシング能力は低いと言わざるを得ない。

 情報共有とセンシング――。目的が違うのだから当たり前の話ではあるが,メーリングリストにせよ社内ブログにせよ,改まって自分の考えを整理して書かれた文章には,本心がなかなか出てこないものだ。

 それならば,ブログのような日記形式ならどうだろうか。これは,書き手のポリシーにもよるが,比較的センシング能力は高い。実際,私もメンバーのブログをRSSリーダーに登録し,購読している。

 ブログはいい線いっている。特にメンバーの興味や目標,夢についてしっかり書かれたエントリを読むのは楽しい。ただ,ブログは敷居が高く,継続的に書くことが難しいせいか,それほど書き込みがアクティブではない。更新の頻度が低いため,情報の鮮度が落ちてしまいがちだ。

 前置きが長くなってしまったが,「Twitter」ならこれらの欠点を補うことができる。Twitterとは,米国のベンダーが提供しているネットサービスで,短い「つぶやき」を投稿しみんなに公開する。いわゆるマイクロブログの一種だ。

図●Twitterの画面
図●Twitterの画面

 Twitterには,次のような特徴がある。

・140文字以内という短いテキスト。まとまった考えを書くには短い。
・手軽に相手をフォロー(相手の書き込みを閲覧可能にすること)できる。
・携帯電話からも利用可能。

 このような特徴があるために,自然に書き込みの頻度が高くなり,内容もフランクになる。改まった内容というよりは「つぶやき」「ひとりごと」が増えるのだ。