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 NHKの次期経営計画(2009~2011年度)が経営委員会で議決されたのは,2008年10月14日である。それから約4カ月が経過し,現在NHKは2009年4月から3年間の計画実行に向けて,経営計画に掲げた九つの経営方針(表1)をブレイクダウンした300項目にわたるプログラム作りを進めている。

表1●中期経営計画に掲げた二つの経営目標と九つの経営方針(NHK作成)
経営目標 ・NHKへの接触者率(放送やインターネットなどあらゆるメディアで,1週間に5分以上,NHKのコンテンツを見たり聞いたりした人の比率)は2011年末までに80%をめざします
・2007年度末で71%の受信料支払い率を,2011年度末までに75%まで引き上げ,2013年度末までに78%をめざします
経営方針 ・視聴者みなさまの信頼を高めるため,組織風土の改革に全力をあげます
・日本の課題,地球規模の課題に真正面から向き合います
・放送・通信融合時代の新サービスで公共放送の役割を果たします
・地域を元気にするための拠点となります
・日本を,そしてアジアを世界に伝えます
・円滑な完全デジタル化に向けて重点的に取り組みます
・構造改革を推し進め,効率的な体制で受信料の価値をより大きくします
・受信料を公平に負担してもらうための取り組みを強化します
・環境経営に着実に取り組みます

 公共放送であるNHKはこれから3年間,デジタル時代にどのように駒を進めようとしているのか。日経ニューメディアが2008年12月15日に開催したセミナー「完全デジタル化に向けたNHKの次世代戦略」の基調講演で,NHKの今井義典・副会長(写真1)がその全体像を述べた。

地上波放送のデジタル化は世界の潮流

写真1●NHK副会長の今井義典氏
写真1●NHK副会長の今井義典氏

 地上デジタル放送は,日本を含む世界の40近い国・地域で始まっている。例えば,地上波放送のデジタル化で先陣を切った英国は,完全デジタル化の目標を2012年末に設定している。このほか欧州ではドイツが2008年11月24日に,地上アナログ放送を終了させた。スウェーデンやフィンランド,オランダなどを含む7カ国で,既にデジタル放送への切り替えを終えている。

 ITU(国際電気通信連合)の合意が実施されれば2015年までに,欧州とアフリカ,中東地域で地上アナログ放送が終了し,デジタル放送に切り替えられる予定である。米国も2009年に,地上アナログ放送を終了させる計画だ。

「全国あまねく受信」の実現を目指す

 これに対して日本では2011年7月24日までに,地上デジタル放送に完全移行することになっている。今井副会長は,「視聴者が混乱なくデジタル放送に移行できるように,全力で取り組む」と宣言した。送信側の対策としては,整備予定の約2200カ所のデジタル中継局のうち,2008年12月末までに684カ所の整備を終えた。2010年末までに,残る約1500カ所の中継局を整備するという。

 受信側の対策では,2008年11月に総務省が立ち上げた「テレビ受信者支援センター」に,既に25人の職員を派遣している。支援センターの全国展開(2009年2月)に合わせて要員を100人規模に増やすとともに,「ノウハウの提供など様々な形で支援センターをバックアップしていく」(今井副会長)という。

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