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写真1●アクセンチュア 通信・ハイテク本部 エグゼクティブ・パートナー 清水新氏
写真1●アクセンチュア 通信・ハイテク本部 エグゼクティブ・パートナー 清水新氏

 IPTVは工夫次第でブレイクする---。アクセンチュア 通信・ハイテク本部 エグゼクティブ・パートナーの清水新氏(写真1)は,IPTVの将来についてこのような考えを示した。

 「IPTV・VODの現状とwin-winモデルについて」と題したこの講演では,(1)テレビ業界の変化の必然性,(2)日本におけるIPTV普及の課題,(3)海外におけるIPTVの成功要因,(4)日本におけるIPTVのキラー・コンテンツ,(5)テレビにおける放送業界と通信業界のwin-winモデル,というテーマについて語った。

「アクトビラでテレビは買わない」

 清水氏は,固定電話業界におけるSkypeの登場や,音楽業界におけるiPodの登場など,電子化事業はIP化の過程において業界変革が必ず起きていることを例示し,テレビ業界も例外ではないと語った。

 ただし日本におけるIPTVについては課題が多く,「アクトビラの機能を備えているから,テレビを購入しようと思う人はまだ少ない」と指摘した。具体的には,「ほとんどのIPTV対応テレビは,YouTubeのようなオープンなコンテンツにはアクセスできず,IPTV上のクローズドなコンテンツしかアクセスできない」「番組数が少ない」といった課題があるという。

過去番組の視聴ニーズに活路あり

 一方,海外におけるIPTVは成功モデルが多く,参考になる点が多いという。オープンなコンテンツにアクセスできる例として,韓国におけるIPTV「Mega TV」を紹介した。Mega TVでは,視聴中に検索ができる画面構成にしており,検索結果にはパソコンで検索したような結果に加え,IPTV上で提供している番組タイトル情報も表示するようにしているという。

 また,番組内容が豊富な例として,フランスの「Free」とアメリカの「Apple TV」を紹介した。Freeでは,視聴者が撮影した動画をアップロードし,共有できるサービスを提供し,好評を博しているという。Apple TVでは,主要な映画会社と提携し,ほぼすべての有名映画の視聴が可能になっているという。

 清水氏は,日本のIPTVにおけるキラー・コンテンツは,過去番組の再視聴であると説明した。その意味で,NHKオンデマンドがスタートしたことは,市場成長のキッカケとしてのインパクトは大きいという。

 ただし,清水氏は,ユーザーがテレビに満足している最大の理由が無料であり,過去視聴で最も成功した事例が英BBCの「iPlayer」であることも注視する必要があると指摘する。「ユーザーは無料でIPTVの番組を視聴できる」,「事業者は無料で提供しながら収益を上げられる」というwin-winのビジネスモデルを確立する必要があると訴えた。

 その上で,win-winモデルの構築に向けては,(1)テレビの視聴スタイル変革(タイムシフト)に積極的に対応すること,(2)無料の視聴モデル(iPlayer, Joost)を取り入れること,(3)ネットの検索機能やCGMなど通信を生かして映像視聴の付加価値の増大を図ること,が重要と指摘した。