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写真●新妻 貴氏 イオンフォレスト 管理本部 IT部 部長 兼 総合企画室 担当部長
写真●新妻 貴氏 イオンフォレスト 管理本部 IT部 部長 兼 総合企画室 担当部長
(写真:中野 和志)

 あいまいなRFP(提案依頼書)を提示しておきながら、いざシステム開発で問題が生じると、開発を請け負ったソリューションプロバイダに責任を押し付けるユーザー企業が多い。RFPがあいまいだと承知で受注したソリューションプロバイダにも問題はある。だが、決める方がしっかりと決めていないのに、一方的にソリューションプロバイダに責任を負わせるのは、おかしな話だ。

 我々は、当社のIT戦略を実現するためのパートナーとして、ソリューションプロバイダと付き合っているつもりだ。プロジェクトが失敗するか成功するかといったリスクは、我々とソリューションプロバイダで共有していきたい。

 だからこそ、ソリューションプロバイダには当社と同じように投資する立場の視点で提案してほしい。我々も、ソリューションプロバイダがこういった視点で提案できるように、RFPには工夫を凝らしているつもりだ。

 まず、システムの目的と範囲をしっかりと理解してもらうため、実現したい要望をとことんまでRFPに盛り込む。後々どうとでも解釈できるようなあいまいさを省くため、システムの画面などの具体的な材料が既にあれば、書き込むようにしている。

 可能な限り要望を具体的に詰め込むことで、我々は「記載してある以上の追加や修正を要求しません」と宣言しているのだ。こうして当社はソリューションプロバイダのパートナーとして、開発に着手してから仕様を膨らませないと約束する。ソリューションプロバイダは、開発に入ってから生じる追加コストを負担するリスクを回避できるはずだ。

 代わりにソリューションプロバイダには、システム開発で無駄な工程が発生しないような開発の進め方を考えてほしい。場合によっては、すべての要件を一気に開発するのではなく、期間や工程を区切って個別に開発してもらっても構わない。我々は、プロジェクトの長期化やそれに伴うコスト増大のリスクを回避できる。

 昨年刷新したポイントカードシステムの案件で、こんなことがあった。

 新しいポイントカードシステムは、データセンターで一元管理する顧客管理システムと、店舗のPOS(販売時点情報管理)システムの両方を連携させる仕組みだ。構築に当たっては、データセンターと各店舗をネットワークで接続し、POSシステムと顧客管理システムがリアルタイムにデータをやり取りできるように再構築する必要があった。

 ほとんどのソリューションプロバイダは、POSシステムと顧客管理システムの再構築、ネットワークインフラの整備を同時に進める方法を提案してきた。だが1社だけ、「まずはネットワークインフラを刷新しましょう。安定稼働を確認してから順次、新システムを開発するべきです」と提案してきた。

 ポイントカードシステムの刷新、ネットワークインフラの整備、既存システムの再構築。これらを同時並行で進めた場合、複数のトラブルが重なって開発現場が混乱する可能性が高い。

 フェーズを区切って一つひとつを確実に整備していけば、トラブルが生じても、解決に要する工数を抑えられる。我々にとってもソリューションプロバイダにとっても、後からコストが増えるリスクは減る。

 我々がRFPに込めた意図を的確にくみ取った妙案だと感じ、このソリューションプロバイダの提案を採用した。(談)