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 日本テレビ放送網は,同社が運営するパソコン向けの動画配信サービス「第2日本テレビ」が,2009年1月に単月黒字を達成したと発表した。収支が改善している理由を「放送とインターネットそれぞれの特性を生かして組み合わせた新しいビジネスモデルに挑んでおり,その成果が出てきた」(日本テレビ編成局デジタルコンテンツセンター デジタル事業推進部)と説明する。

 第2日本テレビは,2005年10月にテレビ局主導のインターネット動画配信サービスの先駆けとしてスタートした。当初,登録会員向けにオリジナルコンテンツを有料配信していた。2008年10月にはサービスの大幅なリニューアルを行い,会員登録不要で見られる無料の動画配信サービスとして再出発した。テレビで放送した番組の配信だけでなく,インターネット配信向けに制作した独自コンテンツが多いのが特徴である。

 リニューアルに当たり,収支を改善するために(1)インフラのコストを下げる,(2)広告媒体としての価値を上げる--の2点を重視しながらビジネスモデルを考えたという。有料の動画配信サービスは,顧客管理や課金システムなどの運用に多くのコストがかかる。こうしたコストを削減するため,会員登録不要の無料サービスへと方針を変更した。また,インターネットのサービスでは利用者が広告に触れないまま別のコンテンツに移動するケースが多く,これが広告媒体としての価値が上がらない原因となっていた。そこで利用者が確実に広告に触れるように,エンタテインメントコンテンツの内容そのものを商品やサービスに紐付ける仕組みを考えた。例えば,携帯電話機メーカーがスポンサーとなって,誰が一番きれいに携帯電話機で自分撮りできるかを出演者が競うコンテンツを制作するといった具合だ。

 こうした基本方針を固めた上で,多くの視聴者に商品を認知させやすいテレビ放送と,関心を持った商品についてより深い情報をいつでも提供できるインターネットの両方の特性を組み合わせた,テレビとインターネットによる「新型クロスメディア広告」(連携広告)を広告商品として開発した。具体的には,スポンサーのニーズにあったコンテンツを日本テレビが制作し,地上波テレビと第2日本テレビの両方で放送,配信する。放送事業者ならではの企画・制作力や,タレントブッキング力を活用できることから,連携広告に対するスポンサーの反応は非常に良いという。また,連携広告をきっかけに放送への広告出稿が得られるケースもあるなど,「放送事業との相乗効果が高まっている」(日本テレビ編成局デジタルコンテンツセンター デジタル事業推進部)。

 今後の運営状況についても「経済状況が悪化しているので楽観はできないが,少なくともこれまで通りの環境の中では黒字化できる仕組みが作れた」という。「『テレビ対インターネット』という視点で広告を奪い合うのではなく,双方を組み合わせた効果的な広告手法を開発することで,広告市場全体を拡大したい」と,担当者は抱負を語った。

■変更履歴
初出時,本文に一部内容の重複した部分がありました。重複部分を削除して修正しました。[2009/05/11]