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双日は,投資に対するリスク金額を計算するために「リスク計量システム」を開発した。投資金額とカントリーリスク,事業リスクを基に投資リスクを金額に換算する。

 商社はリスクを取ってリターンを生む業種。リスクがないところにチャンスはない――。この考えのもと、自社が抱える投資リスクの大きさを金額換算するシステムを導入したのが総合商社の双日だ。

 双日の事業は幅広い。自動車や航空機といった機械・宇宙航空、石油ガスの採掘やバイオエタノール燃料を扱うエネルギー・金属資源、食料や繊維を扱う生活産業など分野別に6事業部門を抱える。投資先も日本、米国、欧州に加えてアジアや中東、アフリカなど全世界にまたがる。世界各国にある拠点数は90。関連会社は425社もある。

 取引先ごとに開設する口座の数は10万以上。世界的に展開する大企業から新興のベンチャー企業まで、国も業種も多種多様な取引を展開する。

 当然、投資には大きなリスクが伴う。双日は投資リスクを「投資した資産の価値が1%下落する確率」と定義。下落する確率を国別の「カントリーリスク」と事業別の「事業リスク」から算出し、投資金額と掛け合わせる手法で投資リスクを金額換算している。金額化により投資リスクを明らかにし、適切に投資するのが狙いだ。

 投資リスクの算出に利用するカントリーリスクは、投資先国の政治や経済の状況などにより資産価値が下落するリスクを指す。事業リスクは双日の事業を33業種に分類し、「TOPIX(東証株価指数)」などを参考に出した業種別のリスク発生確率だ。

 多くの事業や取引先を抱える同社がリスクを計算するには「システムの力を借りなければ難しい」と双日リスク管理企画部の米田晃康部長は話す。

リスク計算を3カ月から1カ月に

 双日が投資に対するリスク金額を計算するために開発したのが「リスク計量システム」である(図1)。投資金額とカントリーリスク、事業リスクを基に投資リスクを金額に換算する。

図1●双日のリスク計量システムの概要<br>投資の目安となる金額を算出する
図1●双日のリスク計量システムの概要
投資の目安となる金額を算出する
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 以前も投資リスクの金額を計算していたが、「担当者が個別にデータベースソフトのAccessなどを使って算出していた。リスクの計算に必要な変数を収集するのにも時間を要した」(米田部長)ため、リスクの金額を明らかにするのに3カ月以上かかっていた。