富士通が2008年10月に出荷した「Interstage Host Access Service」は、メインフレームのソフト資産をオープン環境で活用するためのミドルウエア製品。既存のソフトをオープンシステムの部品として利用できるようになる。メインフレームを熟知する技術者が現場からいなくなるという状況を受けて製品を開発した。

「メインフレームを今後も使い続けたいというユーザー企業は多いし、我々もメインフレームにはまだ活躍の場があると考えている。このソフトはそのために示した解決策だ」。富士通の杉崎厚哉基盤ソフトウェア事業部第一開発部プロジェクト課長は、2008年10月に製品化した「Interstage Host Access Service(IHAS)」の狙いを、こう語る。
IHASは、メインフレーム上で稼働する業務システムを、オープン系の情報システムと連携させるためのミドルウエア製品である。メインフレームのソフト資産を、外部の情報システムから業界標準のWebサービスに対応した、いわば「ソフト部品」として呼び出せるようにする(図)。

IHASを搭載したサーバーは、オープン系の情報システムとメインフレームの間に立ち、両者の“通訳係”を担っている。こうすることで既存のソフト資産に手を加えることなく、オープンシステムで使えるようにした。杉崎氏は「IHASは、過去のソフト資産をSOA(サービス指向アーキテクチャ)化するソフト」と説明する。
具体的には、IHASはオープン系のシステムからSOA準拠のプロトコルでメインフレームへの指示を受け取る。IHASはその内容を翻訳し、ホスト端末の動作をエミュレーションすることで、メインフレームに指示を送る。例えば、必要なデータをホスト画面に表示させて読み取るといった具合だ。