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日立製作所 環境本部 主管技師
IEC 環境配慮設計WG 国際主査
市川 芳明

 今回はEuP指令の実施措置(IM)が決まるまでのプロセスと,実際にどのような製品群が措置の対象として選ばれているのか,そして将来動向を考察してみたい。

実施措置はどのようなプロセスで決定されるのか

 EuP指令の具体的な要求事項を知るためには,私たちは結局,個別の実施措置を見ていかなければならないが,そのプロセスは図1のようになっている。

 まず「Preparatory Study(予備調査)」が必ず実施される。その後に「コンサルテーションフォーラム」が開かれ,その後,各国投票,委員会内部調整を経て,実施措置として発効される。実施措置は指令そのものではないため,委員会規則(Commission Regulation)として出され(日本で言えば省令のようなもの),比較的短い猶予期間(1年など)を経て,施行に移される。このうち,この予備調査には欧州以外の企業も関与できるため,まずはこちらに参加することが日本企業にとって重要。

図1●実施措置に至るプロセスと日本企業が関与する方法
図1●実施措置に至るプロセスと日本企業が関与する方法
 コンサルテーションフォーラムの段階になると欧州以外の企業が参加することは難しい。したがってまずは,予備調査に参加することが日本企業にとっての勝負どころになる。  

 もう一つの重要な関与機会は,整合規格の開発である。電気電子製品の場合,CENELEC(欧州電気標準化委員会)が提供する規格がこれに該当するが,CENELC規格の70%以上がIEC(国際電気標準会議)で策定されているという事実がある。一方でIECには当然日本の企業も参加できる。ここは大きなチャンスと見るべきだ。

 このほかに,JBCE(在欧日系ビジネス協議会)などのロビー団体,さらに欧州の業界団体であるEICTA(欧州情報・通信・民生電子技術産業協会,日本企業も多数メンバーとなっている)などが直接意見やガイドドキュメントを出すことができるので,このような団体に参加している日本企業には有力なルートである。最後のコンサルテーションフォーラムは残念ながら日本の企業の直接的な参加の道は無い。したがって,その前に十分に意見を反映させておく努力が必要だ。