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 日本オラクルは1月20日、ストレージ製品「HP Oracle Exadata Storage Server」の国内販売を開始した。特徴はストレージに独自の高速検索技術を取り入れたこと。データウエアハウス用途で売り出す。

 「導入済みの企業では、既存のデータウエアハウスに比べて最低でも10倍、最高で70倍もの性能向上を実現した。高速検索を実現する機能を備えたストレージとして好評だ」。米オラクルでExadata Storage Serverを担当するマーク・タウンゼント バイスプレジデントはこう言い切る。

 オラクル初のハード製品であるExadata Storage Server はソフトとハードの両面から全件検索を高速化させた。「処理時間を短縮するため、全件検索を極力避けるのがこれまでのデータベース設計の常識だった。Exadata Storage Serverを使えば、検索速度を向上するために、検索範囲を特定しやすくするインデックス(索引)を作成する必要がなくなる」とタウンゼント氏は話す。

 「全件検索の高速化のメリットは、全業種・業態の顧客に及ぶ。統計分析のためのデータウエアハウス用途はもちろん、オープン系システムが苦手としていたバッチ処理も高速化できる」と日本オラクルの三澤智光常務は語る。

 多くのバッチ処理では、データのソート(並べ替え)とマージ(統合)を繰り返す。日本オラクルの根岸徳彰データベース担当シニアマネージャー&エバンジェリストは「ソートやマージの対象となるデータをストレージから頻繁に読み込むので、対象になるデータを抽出する全件検索の能力が高いほど、バッチ処理の時間は短くなる」と説明する。

ソフトとハードの両面から高速化

 高速検索を実現するため、オラクルは独自の工夫をいくつも凝らしている。(図1)。最も特徴的なのは、データベース・ソフトではなくストレージ側で検索処理を完了させる「Smart Scan」機能だ。

図1● HP Oracle Exadata Storage ServerとHP Oracle Database Machine の構成
図1● HP Oracle Exadata Storage ServerとHP Oracle Database Machine の構成
「Smart Scan」機能、超並列アーキテクチャ、Infinibandによって検索処理を高速化する
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 Smart ScanはExadata Storage Serverで動作する、Exadata Storage Server Softwareの機能の一つ。ストレージ側で検索を終えるので、データベース・サーバーとストレージ間のデータ通信量を最小限に抑えることができる。

 通常の全件検索では、データベース・ソフトが全件のデータをストレージから読み込む。この時間を短縮する。

 データベース・サーバーとストレージ間の通信速度も向上させた。14ギガバイト/秒のInfini Bandを使うことで、ストレージへのアクセス速度を向上させた。

 さらに複数の検索処理を並列的に実行できるようにディスクを配置する、超並列アーキテクチャを採用。Exadata Storage Serverに搭載した12基のディスクドライブに、検索処理を分散することで高速化を図る。

 どのようなシステムでも、データ容量が増えれば検索速度は遅くなるのが一般的だ。Exadata Storage ServerはOracle Database 11gに搭載したストレージ管理機能「ASM(Automatic Storage Management)」が複数のストレージに処理を分散させ、処理速度を維持するという。

 またデータウエアハウス専用アプライアンス市場向けに「HP Oracle Database Machine」を販売。これは、Exadata Storage Server14台とデータベース・ソフト「Oracle Database 11g」の搭載サーバー8 台などを一つのきょう体に納めたものだ。ハードの価格はExadata Storage Serverが260万8700円、Database Machine が7065万2200円だ。