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 リーダーシップやモチベーションの研究を専門とする神戸大学大学院教授の金井氏と,制約条件の理論に詳しくエリヤフ・ゴールドラット博士のコンサルティング会社の日本代表である岸良氏の共著。それぞれ得意とする視点で,管理にこだわる上司や経営陣が現場にもたらす弊害を斬る。

 本書の白眉は,過剰な管理がいかに生じてどのような悪影響を生み出すかの「メカニズム」を明らかにしていること。上司が現場や部下に「心配だ」「よかれと思って」と行う管理が現場をがんじがらめにし,最終的に職場やプロジェクトを崩壊させる。現在は「見える化」の名を借りた過剰管理が進んでいるとも言う。管理をしないで「任せる」ことにも,任せた上司ばかり見る“ヒラメ”になってしまう落とし穴があるという。

 題名の通り処方箋,そして緩和剤を示す。例えば,緩和剤として,例外が起きたときだけ上司が動く「例外管理」,上下関係なく全員でやってみる「裏マネジメント」などだ。不確実な要素が多く,がちがちに管理してしまいがちな情報システム構築に携わる管理職にも役立つ。セオリー通りに管理しているのにプロジェクトがうまくいかない悪循環から抜け出すヒントを見いだせるかもしれない。

過剰管理の処方箋

過剰管理の処方箋
金井 壽宏/岸良 裕司著
かんき出版発行
1680円(税込)