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アプリックスはNTTドコモの協力を得て,「iアプリ」をほかの携帯電話や携帯型ゲーム機向けアプリに自動変換するソフトウエアを開発,2009年2月から評価版の配布を始めた。国内のコンテンツ事業者は,今後広がると見込まれるiPhoneやWindows Mobile,Android向けアプリ市場に参入できる。

 iアプリはNTTドコモ独自のJava実行環境「DoJa」(DoCoMo Java)で動作するため,DoJa対応端末以外では実行できない。アプリックスが提供するソフトウエアは,DoJa端末以外の機種で動作する形式に自動変換する。現時点では米マイクロソフトの「Windows Mobile」,フィンランドのノキアの「S60」,米グーグルの「Android」,アップルの「iPhone」のほか,携帯ゲーム機向けのネイティブ・アプリケーションに自動変換できる。

 技術的にはNTTドコモが採用を決定しているLiMo PlatformやKDDIが採用しているBREWにも対応できるが,「それらのプラットフォームへの対応については携帯電話事業者やメーカーと協議して決めていく」(アプリックスの郡山龍社長)という。BlackBerryについては,現時点でターゲットになっていない。

 変換ソフトは,プラットフォームごとに用意されており,それぞれのインストール・パッケージが作成される(図1)。一般の携帯電話向けから,iPhoneなどの全面タッチパネルに対応したユーザー・インタフェースの端末向けにも自動的に変換できる。iPhoneの場合は,「傾きセンサーを使う」,「画面の上下左右の余白部分をボタン代わりにする」など,いくつかのパターンを用意し,コンテンツ事業者が選べるようにする。コンテンツ事業者がキーやタッチパネルの操作をカスタマイズしたい場合は,変換ソフトに含まれるランタイム・ライブラリの改変で対応できる。

図1●アプリックスのiアプリ変換ソフト
図1●アプリックスのiアプリ変換ソフト
Windows Mobile向けアプリケーションに変換する場合。カスタマイズする必要がなければネイティブ・アプリケーションに自動的に変換できる。キー・アサインなどを変更したい場合は,ソースコードで提供されるランタイム・ライブラリをカスタマイズする。

 変換によるアプリケーションのパフォーマンスの低下が心配されるが「カジュアル・ゲームでは問題にならないレベル」(郡山社長)だという。

 今後iアプリを新規に開発する場合には,画面サイズやユーザー・インタフェースなどほかのプラットフォームでの動作を考慮して作れば,マルチ・プラットフォームにスムーズに展開できるようになる。

開発体制無くても多品種展開が可能

 iアプリ・コンテンツを大量に保有している日本コンテンツ事業者にとって,このソフトは福音となる。iPhoneやAndroid,Windows Mobileは,今後普及が進む可能性が高いが,アプリの開発体制は多くの会社で整備できていない。そうした企業が,低リスクでiPhoneやWindows Mobile用アプリ開発に乗り出せる。自動変換ソフト代は,コンテンツの販売額に応じてアプリックスに数%を支払う契約なので,ソフトの移植に伴うコストを抑えられる。従来あった「移植するための費用が,もともとの開発費よりもかかってしまう」という課題を解決できる。

 現在は評価版だが,商用版の実用化時期は,「Windows Mobileのアプリケーション販売サイトであるWindows Marketplace for Mobileの日本版の開始が当面のターゲットになる」(郡山社長)という。同マーケットがオープンする2009年第4四半期ころには,iアプリから移植されたソフトがお目見えしそうだ。