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 企業がモバイルを導入するためには、既存システムを見渡し、どのアプリケーションをモバイル環境に拡張するのか、どんなデータを社外からアクセスさせるのかだけでなく、モバイル固有の要件のために合致したIT基盤はどうあるべきかなど、ITロードマップの見直しが不可欠である。

変革に向けた四つの工夫

 システム面では、既存システムを見わたし、どのアプリケーションをモバイル環境に拡張するのか、どんなデータを社外からアクセスさせるのか、モバイル固有の要件のために新規に実装する領域はどこか、を洗い出さねばならない。そこには、大きく次の四つのポイントが存在する。

(1)社内ERP(統合基幹業務システム)/レガシーシステムとの切り分けと連携:モバイルユーザーが活用するシステムは、情報系、在庫・予約管理系、CRM(顧客関係管理)系に大別できる。それぞれ、社内のグループウエア、在庫・予約管理システム、ERPやレガシーシステムに、モバイルを接続する。

 いずれのケースでも、まずデータに対する参照権限を設定する。そのうえで、モバイル端末で実現する効果とワークスタイルについて、業務部門と要件を定義する。

 モバイル環境からのシステム連携機能は、ファイアウオール経由でイントラネットのモバイルゲートウエイに接続して実現する(図1)。モバイルゲートウエイは、通信事業者独自のプロトコルをTCP/IPに変換する。

図1●B to E(企業体従業員)のシステムでは、モバイルゲートウエアが社内外を結ぶ
図1●B to E(企業体従業員)のシステムでは、モバイルゲートウエアが社内外を結ぶ
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 アプリケーションよっては、モバイル接続を人が操作するのではなく、機械がネットワークを通じて他のシステムとデータをやり取りし、自動制御するビジネスモデルが適用できる。これは、M to M(マシン・ツー・マシン)と呼ばれている。

(2)アプリケーションのわかりやすさ、シンプルさ:モバイル環境では、ITリテラシの高低にかかわらず、多くの利用者がスムーズに使える操作性が必要になる。業務部門からは、モバイルアプリケーションにおけるユーザーインタフェースのわかりやすさやシンプルさが強く求められるだろう。

 実装時には、アプリケーションのプログラムサイズをできる限り小さくすることも不可欠だ。起動時間の短縮やサーバーからのレスポンスタイムの最適化が求められるからだ。こうした性能が、モバイル業務アプリケーションを利用部門が積極的に使おうとするかどうかに大きく影響する。

(3)モバイル端末のバッテリー持続時間:小型のモバイル端末は、電池容量も限られる。業務上でモバイルアプリケーションを利用するためには、バッテリーの持続時間を考慮しなければならない。車載用途などでは移動中の充電が可能だが、持ち歩いたままでは充電が困難なケースが多い。