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 「不況の影響でユーザー企業の新規開発プロジェクトが軒並み延期になっているが、悲観はしていない。むしろ今こそ、人材育成の大きなチャンスだと考えている。これまでIT営業は非常に忙しく、とても教育どころではなかった。だから今、しっかりと教育しておけば、景気が上向いたときには、ものすごい戦力になっているはずだ」。こう語るのは、大手システムインテグレータの経営トップである。不況だからといって縮こまるのではなく、前向きにとらえようとする姿勢に筆者は大きな共感を覚えた。

 「100年に1度」といわれる未曽有の不況が世界的に到来しているなか、自動車や家電といった多くの業種で「モノが売れない」との声が高まっている。IT業界でも、顧客はシステムの構築や運用に投じる費用を削減しており、厳しい時代に入っている。

 だがシステムはいまや、企業経営に欠かせない存在である。いったんシステムが停止すれば、社会に大きな被害を及ぼし、ばく大な損害が発生する事態になりかねない。システムを稼働させるためには、必ず投資しなければならない。どんな不況の時代でも、システムに対する顧客のニーズは必ずあるのだ。これをどう掘り起こし、受注に結び付けるかが、営業担当者の腕の見せ所だろう。

RFPから顧客の本音をつかんでいるか

 システムの販売は、他業種の営業とは大きく異なる点がある。それは、単に性能の優れたハードやソフトを顧客に提供すれば済むものではない、ということだ。顧客ごとに異なるさまざまな経営課題を解決するために、どんな方策やシステムが必要になるかを営業担当者が自分で考え抜き、顧客に提案する必要がある。IT営業は顧客からハードやソフトの販売ではなく、「ソリューション(問題解決策)」を求められるのである。

 当然、ライバル会社の営業担当者も顧客にソリューションの提案を示しているに違いない。顧客は複数の提案の中から、優れた提案だけを選択し、システムを発注する。勝ち負けは非常に明確だ。受注を獲得する優れた提案を考えるにはどうすればいいか。

 まず「業務効率を上げたい」「在庫を削減したい」といった顧客の経営課題を正確に把握する必要がある。だが、顧客は常に真実を言うとは限らないし、経営課題がはっきりしていないケースも多い。すべての経営課題にシステムで対応しようとすれば、投資額が膨れ上がるだけである。顧客のニーズにかなったソリューションを考えるには、顧客が書くRFP(提案依頼書)をどう読み解くかが第一のテクニックだ。

 次に、良いソリューションを考えても、顧客に伝わらなければ意味がない。多くの営業担当者が失敗するのは、提案書の内容が分かりにくいからだ。顧客に説明するには、どんな構成やストーリーにするか、用語を適切に使っているかなど、あらゆる部分に配慮する必要がある。専門的なIT用語を並べた提案書では、顧客は読む気も起こらないだろう。いかに提案書を分かりやすく作成するかが第ニのテクニックになる。

自分勝手にプレゼンを実行していないか

 提案書を作成した後は、営業担当者の意図を顧客に正確に伝えるプレゼンテーションが待っている。あがってしまっては、今までの苦労も水の泡である。落ち着いて、分かりやすく、ゆっくりと説明しよう。服装や態度にも注意したい。見やすい、分かりやすい、しかも聞き手に安心感を与えるようなプレゼンを行うことが、第三のテクニックだ。

 さらにもう一つ、営業担当者が日ごろから実行しておくべきことで受注の確率が上がる第四のテクニックがある。それはアカウントプランと呼ばれる営業計画の立案である。どんな顧客がいて、いつアプローチすべきか、といった計画を顧客ごとに立案していくことで、自分が達成すべき予算を確実にクリアできるようにするのだ。

 これら4つのテクニックに注意して営業活動を推進すれば、受注を得る確率はグンと上がるはずだ。不況の今こそテクニックを身に付けるチャンスと考え、経営トップもIT営業担当者も、ぜひ実行してほしい。

 なお、日経ソリューションビジネスは、「IT営業にすぐ活かせる4つの技術と実践テクニック」と題するセミナーを5月20日と6月3日の2回にわたって開催する。5月20日は重要なセールステクニックである「RFP(提案依頼書)の読み方」「アカウントプランの作り方」を、6月3日は「提案書の書き方」「プレゼンテーションのやり方」といったテーマで、具体的かつ実践的に解説する。講師はいずれもベテラン営業やコンサルタント、大学教授など各分野のエキスパートである。ベテランから新人まで役立つ内容となっている。ぜひご参加いただきたい。