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 フェムトセルを使った新たな付加価値サービスは,その形が見えつつある。それでも現状では,ソフトバンクモバイルにしてもNTTドコモにしても,“フェーズ2”サービスの開始時期については明言を避ける。

「フェムトセルに切り替わらない」

 理由は単純。本格導入に向けてはまだ課題が残っているからだ。ここに来て大きな課題として浮上してきたのは,家庭内にフェムトセルを設置した場合に,ユーザーが宅内に入っても接続先がフェムトセルに切り替わらないという,いわゆる“キャンプオン問題”である(図1)。

図1●フェムトセルへ確実に切り替わるとは限らない問題が浮上
図1●フェムトセルへ確実に切り替わるとは限らない問題が浮上
海外に比べてきめ細かいエリアを構築している日本の携帯電話事業者の間では,屋外の基地局からフェムトセルに切り替わらないケースがあり,新たな課題として問題視されている。解決策としては,フェムトセルに優先的に接続する機能やアプリケーションによる電波の切り替え機能を端末に実装したり,基地局のパラメータを見直すといった手段があるが,いずれも決定打にはなり得ていない。

 フェーズ2の新サービスは,ユーザーの端末がフェムトセルに接続していることを前提としている。ユーザーがフェムトセルのエリアに入った際に,接続先の基地局が自動的かつ確実にフェムトセルに切り替わらなければサービスが成り立たなくなってしまう。

 第3世代携帯電話(3G)のカバーエリアがきめ細かい日本の携帯電話では,特に影響が大きい。ソフトバンクモバイル,NTTドコモ,KDDIのいずれも,キャンプオン問題に頭を悩ませている。海外の携帯電話事業者は,3Gのエリアが日本ほどきめ細かく整備されていないために,キャンプオン問題をそれほど気にしていないという。ただエリア整備が進めば,いずれどの事業者も直面するだろう。

 解決策としては,端末にフェムトセルに優先的に接続する機能やアプリケーションによる電波の切り替え機能を実装したり,基地局側のパラメータを調整することで,端末をフェムトセルへ接続しやすくするといった手段がある。ただ,いずれも決定的な解決策とは言えず,各社は「どんな形がユーザーに受け入れられやすいのか」と悩む様子も見せる。

 フェムト・フォーラムのサウンダース議長は「フェムトセルは新しい形態であるため,様々な課題に直面することは当然だ。課題を一つずつクリアしていくことで,いずれフェムトセルが屋外の基地局と同じように当たり前の存在になるようにしていきたい」と語る。なおキャンプオン問題については3GPPの標準化で,端末がフェムトセルを識別できる機能を装備することを検討中。将来的にはこの機能で解決される可能性がある。