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 金融危機に端を発する不況から,ITコストの削減を求められる企業は増加の一途をたどっている。本書はそうした企業の担当者にとって助け船となりそうな一冊だ。計画レベルでの費用対効果測定や開発時のコスト管理から運用レベルでのTIPS,IT減税の活用まで,正攻法のコスト削減手法を紹介している。その項目数は114にもおよぶ。

 徹底的に網羅性を高めている点が類書にない特徴。コスト削減手法のチェックリストとしての活用に最適だ。

 本書では各手法を「IT戦略」「企画業務」「開発業務」「運用業務」「保守業務」と,システムのライフサイクルに沿った五つに分類している。これらにライフサイクル全体にかかわる「共通」を加えた6章で構成される。読者は自社システムがどのフェーズにあるかを判断して,その部分だけ“つまみ食い”しながら読み進められる。

 網羅性を重視したため1項目当たりの解説量は長くとも4ページ程度で,具体的な評価手法や導入手順までには踏み込んでいない。コスト削減手法を実際に検討する際には別途,関連書籍や雑誌記事を探すことになるだろう。1項目ごとに参考文献リストがあると,さらに実用性が増したと思われる。

ITコスト削減マニュアル

ITコスト削減マニュアル
岡村 和彦著
技術評論社発行
2499円(税込)