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 皆さんの身の回りで,使いにくいと感じるシステムはありませんか?例えば,このような経験はないでしょうか。

●あるショッピングサイトで…
 「検索したけど,欲しい商品がリストには無いな」
 「分類が多すぎて分かりにくいなー。階層も深すぎるよ」
 「やっと見つけた。でも,結局取り寄せになるのか」
 「この商品って結局いくらなんだろう?ここでは値段が出てないのか」
 「よく分からないから,もうこのサイトで買うのはやめよう」

●ある電子申請システムで…
 「うわぁ,入力項目が多くて大変だなぁ」
 「あれ?これってさっきも入力しなかったっけ?また入れるのは面倒だなぁ」
 「ここは何を選択すればいいんだろ?解説が欲しいな」
 「えっ!タイムアウト?ウソでしょー」
 「やっと終ったー。もう二度と使いたくないな」

 例に挙げた2つは,筆者自身の経験です。このときは,本当にイライラして,こんなシステムはもう使いたくないと思いました。普段皆さんが利用しているシステムやサービスでも,「分かりにくい」とか「使いにくい」と感じることは,結構あるのではないでしょうか。

 なぜ,このように使いにくいシステムができるのでしょうか?

 それは,実際にシステムを利用するユーザーの要求や利用状況などを考慮しないでシステム設計を進めることが多いからです。システムを開発する立場では「この機能があればこんなことができる」と,機能を中心に考える傾向にあります。

 「こんな機能をつければユーザーは喜ぶだろう」と,ある程度ユーザーの要求や思いを想像して考えることもあるでしょう。しかし,それはあくまでも開発者の想像でしかありません。実際にシステムを利用するユーザーの要求や利用状況まで考慮してシステム設計を行う企業やプロジェクトは,まだまだ少ないのではないでしょうか。

 一般的なシステム開発工程では,ユーザーの使いやすさを考慮するプロセスが抜けてしまっています。使いやすいシステムを作るためには,そのプロセスを実施する必要があるのです。この連載では,使いやすいシステムを作るために必要なプロセスについて紹介していきます。

 ユーザーがどんな行動を取り,また,ユーザーが何を求めているのかを,設計者や開発者が理解することは大切です。システム開発の早い段階で,ユーザーの要求や利用状況などを考慮することができれば,使いやすいシステムを作ることができます。そこで重要となるのが,機能中心の考え方を人間中心の考え方にシフトすることです。