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 「礼」の大切さは、2500年前の孔子の時代も、今も変わりません。孔子は、とりわけ「礼」を重視しました。

 「礼」とは、礼節、礼儀作法、人間としての正しい立ち居振る舞い、冠婚葬祭、宮廷の祭祀の式次第などで、幅広い意味があります。ただし、「礼」は、人を敬う心や感謝の心を本(もと)としなければなりません。つまり、根本の精神が欠けていれば、立ち居振る舞いや礼儀作法といった外観がいかに美しくても、いかがなものか、問題があると孔子は見ているわけです。

「礼」の要素は、心と外見(見た目)

 「人は見た目が9割」という心理学者マレービアンの法則がありますが、外見、外観だけでなく、心を常にこめたいものです。しかし、見た目も重要です。従って、「礼」の要素は、心と外見(見た目)ともいえます。

 マレービアンの法則に関連するような言葉が、四書五経の五経の1つである『礼記』にあります。「礼義の始めは、容体を正しくし、顔色を斉(ととの)え、 辞令を順にするに在り」という言葉です。礼儀の始めは、姿勢、顔色、言葉づかいの3つであり、これを正しくしなければならないというわけです。

 筆者は、この「礼」をビジネス的に考えた時に、お客様への「礼」が、CS(カスタマー・サティスファクション=顧客満足)、社員・従業員への「礼」がES(従業員満足)、地域や地方・社会への「礼」がCSR(社会的責任)といえるのではないかと考えています。

 特にCSRについては、筆者は、お客様・従業員・株主・社会などの企業を取り巻くすべての関係(Relations、リレーションズ)、ステークホルダーの方々をカスタマー(顧客)と考えて、それぞれのCS、すなわち、満足、喜び、感謝(ありがとう)、感動を追求することが、結果として、CSR(社会的責任)の達成につながっていくと考えています。

CSRは各関係者のCSの総和からかけ算へ

 すなわち、CSRは、各関係者・ステークホルダーのCSの総和、CS+Rです。これが、企業において、積み重ねられれば、やがてCS×R、かけ算となって、満足・信頼・魅力の大きなブランドのCSR経営の企業になっていくのではないでしょうか。

 方程式で表せば、CSR=CS+R→CS×Rです。

 筆者と同様の考えは、アサヒビールのCSRレポートの社長メッセージ、基本コンセプトにも見て取れます。