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悩み:定例の営業会議の意義が不明です。実績が目標に達しなかったことを責められるばかりで、その原因の究明もほとんどなく、生産的な意見が全く出ないと感じています。


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回答者:
サンウエーブ工業 練馬営業所長
川原 永嗣氏

 営業会議が「責める」場になるというのはよくあること。私が以前所属していた部署でも、毎週の会議で上司が3時間以上にわたって担当者を叱責していた。下手に口を挟むと上司の怒りがますますエスカレートするので、叱責されている当事者以外はこっそりほかの仕事をしたり、口実を設けて途中退室したりすることが常態化していた。

事前に業績や活動実績をまとめ、議論のポイントを絞っておく
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 上司のリーダーシップの問題もあるが、参加者が何の準備もせずに会議に臨み、「言われっぱなし」になることにも原因があった。そこで上司が不在で私が進行役を務める時は、参加者に事前に進ちょく状況や翌週の行動予定をまとめた資料を作成させた。会議の場では「できた、できない」の報告は極力短時間で終え、行動計画のたたき台を精査することに時間を費やした結果、会議時間は3分の1に短縮した。あなたが会議の参加者の立場なら、現状と対策を自分で整理して、議論のポイントを絞ってから会議に臨むことを勧める。

 逆に会議の主宰者の立場なら、そもそも会議が必要かどうかを考えてみてほしい。私は営業所長に就いてからは定例会議はやめ、各営業担当者と1対1の面談に切り替えた。部署全員を拘束する会議の場では、一人ひとりとのやり取りに割く時間も限られ、突っ込んだ話も聞きにくい。面談では営業活動での障害を中心に話すが、気をつけているのは、対策を指示するのではなく、質問して部下に考えさせるということだ。

 「取引先に日参しているのに見積もりが取れない」という悩みがあれば、「自分が取引先の社長だったら、どんなことを言われたら気持ちが動くと思う?」「競合はどうアプローチしている?」など様々な角度から質問を重ねる。

 部下がうまくいかない責任を取引先や同僚に転嫁する場合もある。会議ではこうした「他責」は禁物だが、不満を吐き出すことで気持ちがすっきりする効果もあるので、面談の場では耳を傾けている。問題があると感じた場合にははっきり指摘する。ほかの社員が同席している場では叱責ととらえられかねないことも、1対1で丁寧に伝えれば理解してもらえることが多いと感じる。現在の営業所で面談を重ねて営業活動をブラッシュアップし、2007年には全国トップの営業成績を上げた。

 面談の時間は1人10分程度。連絡事項などがある場合には、最初に全員を集めて15分程度を説明に費やす。定例会議だけをコミュニケーションの場にせず、連絡、報告、対策協議など目的に応じて適切な手段を使い分けるのが効果的だ。

川原 永嗣(かわはら えいじ)氏
サンウエーブ工業 練馬営業所長
1991年にサンウエーブ工業に入社。宇都宮営業所で全国トップの営業成績を上げ、2006年から現職。2006年からコーチ・トゥエンティワンでコーチングを学び部下の指導に役立てている。