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悩み:会議が終わった後、何がどう決まったか、人によって言っていることが違い、収束するためにまた会議を開いたりします。


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回答者:
日経情報ストラテジー編集

 会議の目的や内容によって「結論」のパターンは異なる。プロジェクトや日常業務の会議であれば、次回までのタスクや目標といった明確な結論が出るが、新商品や事業の企画を出し合うアイデア会議や、業務・組織改革の方向性などを話し合う会議では、結論が抽象的に表現されることも多く、認識に差が出るのも無理からぬことだ。

 認識のズレを防ぐには、結論に至る過程も含め、参加者全体で共有するのが有効だ。会議の過程を逐一議事録に記録するという手もあるが、長時間にわたる会議の詳細を読み直すのは手間もかかる。114ページに登場したペイオフマトリクスなどの図を写真に撮っておけば、議論のプロセスや最終的に絞り込まれた案を一目で把握できる。

 会議の過程を分かりやすく記録し、共有する手段として最近注目を浴びているのが「グラフィックファシリテーション」だ。絵や図形、色彩を多用しながら議論を記録していく。米国ではかなり普及し、日本でも会議で活躍するプロのファシリテーターが登場している。その1人が「グラフィックファシリテーター」の登録商標も持つやまざきゆにこ氏だ。壁に模造紙を張り付け、意見を直感的に絵にしていく。2時間程度の会議で10枚前後の模造紙をグラフィックで埋め尽くす。組織ビジョンなどを話し合う会議では、抽象的な議論を具象的な絵に落とし込むことで、参加者がその内容を共有しやすくなり、言葉の空中戦になりがちな議論が地に足をつけたものになっていく。

●議論を絵にすることで参加者が理解し、共有しやすくなる
●議論を絵にすることで参加者が理解し、共有しやすくなる
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 例えば国際大学GLOCOM(グローバル・コミュニケーション・センター)が「イノベーション行動科学」をテーマに開催した会議でやまざき氏がファシリテーターを務めた際には、リーダーシップを「火」というメタファーで表現した。ある参加者の「同じ釜の飯を食う」という発言から触発されてのことだが、「いい火種を掲げれば人は集まってくる」「リーダーは集まったメンバーのたいまつに火をともしていく」といったグラフィックは、支援型のリーダーシップを分かりやすく表現するものだ。

 やまざき氏は会議の終了時にフィードバックの時間を設け、絵の内容を解説している。そこで参加者がグラフィックとともに会議の経過を振り返り、議論の経緯について共通の認識を持てるよう促す効果がある。会議に参加していないメンバーが、会議の内容を理解する際にも役立つ。