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悩み:勤務年数の長いベテランが発言すると、反対意見が出にくい雰囲気になります。思い切って後輩が提案してもベテランが素直に認めず、結論が先送りになってしまいます。


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回答者:
日産自動車V-up推進・支援チーム

 当チームは社内や販売会社で課題解決プロジェクトのファシリテーションを担当しているが、特に販売会社では上司と部下、先輩と後輩という職場の上下関係が会議の場にも持ち込まれ、若手から率直な意見を引き出すのが難しいケースも多い。こうした上下関係を排除するためにまず行うのは、会議の冒頭で参加者が最低限守る大原則として提示する「グラウンドルール」に「ポジションパワーを使わない」と明記することだ。「この場では職位や経験度にこだわらず、率直な意見を出してよい」ということを保証する意味がある。

 特に上司やベテランに遠慮したり、その意見に引っ張られて本音を言い出しにくそうにしている場合には、付せん紙に一斉に意見を書いてもらってホワイトボードに張り出す。この狙いは、参加者の視点をホワイトボード、もしくはファシリテーターに向けることだ。参加者同士が対峙してしまうと、どうしてもポジションパワーが生じやすくなる。上下関係が強い職場では、「ヒト」と「意見」を切り離し、いい意味で「意見が独り歩きする」環境を作ることで、ポジションパワーの影響を最小限に食い止めることができる。

●日産自動車V-up推進・支援チームのグラウンドルール
●日産自動車V-up推進・支援チームのグラウンドルール
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 ただしこればかりやっていると、発言したいベテランにフラストレーションがたまるので、意見を口頭で述べるフェーズも作る。まずはベテランの意見を聴き「良い意見ですね」と肯定したうえで「意見やアイデアを漏れなく、ダブリなく洗い出したいので、これ以外の方策を考えてみましょう」といった前振りをして、参加者全員に意見を募っていく。この前振りで、若手は「ベテランと違う意見を言ってよい」という免罪符を得られる。

 ある程度意見が出て絞り込んでいく段階では、図を使って意見を整理していく手法が有効だ。例えばアクションプランを絞り込む際には、「ペイオフマトリクス」という手法を使う。「効果の大きさ」と「実現の難易度」といった2軸から成る4象限の図をホワイトボード上に描いて、各プランがどこに該当するかを討議しながらマッピングすることで、参加者の視点をホワイトボードに集中させる。

日産自動車V-up推進・支援チーム
日産自動車V-up推進・支援チーム
課題解決活動「V-upプログラム」の推進組織として、社内及び販売会社の課題解決プロジェクトを支援する。分部庸子主管(写真左端)をはじめ、全員がファシリテーションの専門スキルを持つ。