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悩み:自分の意見を強行に主張し、人の話を聞かない人がメンバーにいる場合、その人に全体が引きずられてしまい議論になりません。


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回答者:
ナレッジサイン代表取締役
吉岡 英幸氏

 「声の大きな人」は、会議における発言の量と時間で大きなシェアを占めてしまう。そのため、意見が偏り、ほかの参加者が発言する機会を減らすという2つの悪影響を及ぼす。

意見を板書する際、発言者の名前を書き入れることで「しゃべり過ぎている人」が一目瞭然に。
意見を板書する際、発言者の名前を書き入れることで「しゃべり過ぎている人」が一目瞭然に。マグネットボードに意見を書けば、発言の機会を全員に均等に提供できる
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 この弊害を予防するために私がよく使うのは、発言をホワイトボードに板書し、発言者の名前を併記することだ。これを見れば、誰の発言回数が多いかが一目瞭然で分かる。1人でしゃべりまくる人は、実は自分ではそのことに気づいておらず、「ほかの人よりちょっと発言が多い」程度の認識しかもっていないケースが少なくない。板書で発言シェアを「見える化」することで、本人に自分がしゃべり過ぎていることを自覚させ、かつ会議のメンバー全員がそのことに気づいていることを知らしめる。面と向かって「しゃべり過ぎだ」と言う代わりに、ホワイトボードに指摘してもらうのだ。

 参加者全員が「イチ押し」の意見をマグネットボードに書いて、一斉に開示するのも効果的だ。付せん紙に書き出すと、声の大きい人は同じような意見をたくさん出す恐れがある。1人1枚のボードなら均等な発言の機会を保証できる。

 悩ましいのは部門長や社長など会議の主宰者がしゃべりまくる場合だ。こうした事態が予想される場合には、ファシリテーターは「会議の参加者がどこまで裁量を持つのか」について事前に主宰者に確認しておこう。みんなの意見を聞いておきたいだけなのか、参加者の総意で意思決定するのか、基本方針は主宰者が決めて、実務的な実現方法を参加者で討議して決めるのか。最悪なのは、「みんなで決めよう」と言いながら主宰者ばかりが意見を言い、そのまま意思決定するという展開で、これでは主宰者以外が会議に参加する意味がなくなってしまう。事前の確認によって主宰者をけん制し、参加者が発言する権利を確保しておく。

 上席者に対してこうした事前確認をするのは気が引ける面もあり、特に若手社員がファシリテーターを務める場合にはプレッシャーを強く感じるかもしれない。とはいえ、会議の主宰者と参加者とのパイプ役を務めるのもファシリテーターの重要な役割の1つだ。割り切ってさわやかに聞こう。

吉岡 英幸(よしおか ひでゆき)氏
ナレッジサイン代表取締役
1991年にサンウエーブ工業に入社。宇都宮営業所で全国トップの営業成績を上げ、2006年から現職。2006年からコーチ・トゥエンティワンでコーチングを学び部下の指導に役立てている。