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 今年後半に正式出荷が予定されている「Windows 7」では,ここ1~2年の爆発的なネットブック人気を受けて,「Starter」という事実上ネットブック専用のエディションを用意する(関連記事:「Windows 7」は合計6エディション,Microsoftが製品構成を発表)。このStarterエディションでは,利用できる機能や動作環境について,米Microsoftはいくつかの制約を加えている。ここにきて,これらの制約に関して変更される可能性が出てきた。

Take1:同時実行アプリ3本という制限は撤廃

 米Microsoftは,次期クライアントOSのローエンド・エディション「Windows 7 Starter」で同時実行可能なアプリケーション数を最大3本に制約し,製品としての魅力を意識的に落とすことにしていた。ところが,この制限は撤廃される。同社からの公式発表は,数日もしくは数週間後にあるはずだ。

 ただし,Starterエディションに設けられる,それ以外の奇妙な機能制限がなくなるかどうかについて,現時点では詳しい情報がない。例えば,Starterのユーザーは,デスクトップの壁紙を変更することができない。これは,いかにも不思議な仕様だ。

Take2:ネットブック向けWindows 7のハードウエア制限を変更

 パソコン・メーカーの中には,Microsoftの隠している計画をばらしたがるところがある。今回,あるメーカーからMicrosoftのネットブック向けWindows 7計画の詳細情報が漏れた。

 Windows 7は,どのエディションでもネットブックで快適に使える。だが,そのメーカーによると,Microsoftは大多数のパソコン・メーカーが価格上の理由から自社製ネットブックにStarterまたはHome Premiumのいずれかのエディションをバンドルするとみているという(関連記事:Windows 7の登場で200ドルPCが可能になる)。

 技術的な話題に絞って見てみると,Windows 7でMicrosoftはネットブック向けライセンス条件の中からハードウエアに関する制約をいくつか外す。その結果,これまでよりやや高性能なネットブックで,StarterおよびHome Premiumのエディションが使えるようになる。

 例えば,Windows 7を搭載したネットブックでは,パソコン・メーカーはタッチスクリーンや任意のグラフィックス・プロセッサを自由に採用できるようになる。搭載可能なストレージ容量も,ハードディスク(HDD)モデルなら最大250Gバイト,半導体ディスク(SSD)モデルなら最大64Gバイトに増える。これまでの「Windows Vista」と「Windows XP」のネットブック向けライセンスでは,HDDモデルが最大160Gバイト,SSDモデルが最大32Gバイトまでだった。搭載プロセッサはシングルコアのままだが,動作周波数が2GHzまで許される(これまでは1GHz)。

 ところが奇妙なことに,最大の画面サイズは逆に小さくなってしまう。Windows Vista/XPのネットブックは最大12.1インチまで搭載できた。これが,Windows 7では最大10.2インチに狭まるのだ。ただし,パソコン・メーカーは当然どのようなハードウエア構成のネットブックでも作れる。ここで紹介した制限は,あくまでもWindowsをネットブック向けの特別な低価格で仕入れるための条件に過ぎない。