PR

 日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)は環境保護の取り組みとして,電力消費の効率化を推進していく考えを固めた。経年変化を見るための指標として電力消費量をトラフィック量で割った「kWh/Mbps」を設定し,この指標を基に削減目標を定める。

 こうした環境指標は,電気通信事業者協会(TCA)やテレコムサービス協会といった電気通信事業者の業界団体も設定している。例えばTCAは電力消費量/契約者数であり,テレコムサービス協会は電力消費量/売上高としている。一方JAIPAは,今回初めての指標設定となる。JAIPAの指標設定はほかの業界団体に比べて簡単には進められない事情があったためである。

 TCAのように電力消費量/契約者数とするのがシンプルだが,JAIPAの会員企業であるインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)の顧客には,個人もいれば法人もいることが難しくさせた。回線やサーバーの使用量が異なるそれぞれの顧客を,同じ1契約者として数えて指標にするのは難しいと考えた。

 一方テレコムサービス協会のように電力消費量/売上高にするには,JAIPAの会員企業の業態が多様であることが立ちはだかった。会員企業には,ISP以外にデータセンターに設置したサーバーを貸すホスティング・サービスを手がける企業や,ディー・エヌ・エーといったサービス提供会社もいる。業態が違う企業をひとくくりにした売上高を使って指標を設定するのも無理があると考えた。

 そこで,トラフィック量を用いることを思いついた。これなら法人顧客/個人顧客の違いや,業態の違いを吸収できる。トラフィック量はどの会員企業でも業務として取得している数値なので,手間もかからないと考えた。ただし電力消費量やトラフィック量の厳密な定義はこれから詰めていく。例えば電力消費量は,サーバー機器やネットワーク機器にかかるものを測定するのか,大きなコールセンターを持つ企業はその場所で使う電力消費量も算入するのかといったことを検討する必要がある。トラフィック量も,上りまたは下りにするのか,上下の平均にするのか,1日のピークにするのか平均にするのかなどを決める必要がある。

 JAIPAは2009年中に20社程度の会員企業に,指標の計測を実施してもらう考えである。その際に電力消費量やトラフィック量の定義は,会員企業と個別に相談して決める予定だ。その結果を見て,電力消費量やトラフィック量の定義は各会員企業に任せるのか,または複数の定義パターンをJAIPAが決めて提示するのがいいかを検討する。