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写真1●静岡市にある鈴与本社
写真1●静岡市にある鈴与本社

 鈴与グループは,国内外の物流事業を手がける鈴与を中心に,商社,建設,食品製造,システム開発,人材サービスなど幅広く事業を展開している。現在,グループ企業数は約130社,従業員6900人を擁し,年商は約5500億円にのぼる。

 日本のCO2排出量のうち,運輸部門が占める割合は2割を超える。過去20年間では家庭部門,業務・オフィス部門に次いで高い伸びを示してきた。こうした中,鈴与は,顧客企業(荷主)の課題をいち早く捉え,より環境負荷の少ない輸送手段(モーダルシフト)の提案に戦略的に取り組んできた。そしてこの「物流改善サービス」を後方支援しているのが,2007年に稼働した「CO2排出量算定/シミュレーション・システム」である。

CO2削減効果を“見える化”して提案力を強化

 実は,鈴与グループでは10年ほど前からモーダルシフトの提案を行っていた。グループ会社が相互に連携し,トラックによる陸上輸送とフェリーによる海上輸送とを組み合わせた海陸一貫輸送サービスを提供してきた(図1)。

図1●鈴与グループの海陸一貫輸送サービス
図1●鈴与グループの海陸一貫輸送サービス
鈴与と鈴与カーゴネット,鈴与海運などの関連会社が連携して提供している。全国20カ所以上の港と配送拠点をネットワーク化し,大ロット長距離貨物輸送のモーダルシフト提案の切り札になっている。

 このサービスはコスト面の利点から徐々に需要は伸びていたものの,取扱高が急速に増えたのはここ数年のことだ。「2005年から2008年にかけての3年間で,フェリー輸送の取扱高は5割近く拡大した」と,物流企画室長の杉本光昭氏は数字を示す。なぜ,短期間にこれほど伸びたのか。

 「2006年ころから,顧客企業の環境意識は大きく変わってきた」。こう話すのは,ロジスティクス事業本部 本部長付部長の中尾健治氏である。2008年4月から京都議定書の第1約束期間が始まることを見据え,大手企業を中心に,数値目標を立ててCO2排出量の削減に取り組み始めた。このため,陸送から船舶輸送に切り替えるモーダルシフトの動きが活発化してきたのである。

 同社はこの流れを加速すべく,2008年からCO2排出量算定/シミュレーション・システムを導入,CO2削減効果を“見える化”するサービスを開始した。「モーダルシフトによってこれだけCO2排出量を減らせますよと,算出の根拠を示しながら,目に見える形で提案した方が訴求力ははるかに大きい」と中尾氏は導入の狙いについて語る。