PR

■無線LANの規格

 無線LANには数多くの規格がありますが,無線LANそのものの規格は,図2の3つの標準です。

図2●代表的な無線LAN規格
図2●代表的な無線LAN規格
[画像のクリックで拡大表示]

 各規格の使用周波数帯と最大伝送速度は最低限覚えておきましょう。

 無線LANで使用される無線周波数は5GHz帯または2.4GHz帯であり,両者はISMバンドと呼ぶ,使用にあたって行政の許認可が必要ない無線周波数を使用しています。

 電波法は各国により異なり,特にIEEE802.11aで使用される5GHz帯は日本では屋外使用に制限があるなど,制約が厳しいため,使用においては注意が必要です。他方,2.4GHz帯は世界の広い範囲で共通の無線周波数を使用できたためIEEE802.11bが普及しました。しかしながら,最大伝送速度が11Mbpsと遅かったため,後年,IEEE802.11aと同じOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)という通信方式をサポートしたIEEE802.11gが誕生しました。なお,2.4GHz帯では,コードレス電話やBluetooth,電子レンジなどで使用する周波数と干渉が生じるため,ノイズが生じやすいという問題があるほか,後述するチャネル干渉について注意が必要です。

 なお,無線LANでは,半二重通信しか行えない,無線伝送コントロールの負荷が大きいといった特徴から,最大伝送速度通りの通信を行うことは不可能です。また,IEEE802.11gでIEEE802.11bの下位互換をサポートすると,両方のクライアントに制御情報を届ける必要があるため,パフォーマンスが悪化してしまいます。

 試験として押さえる必要はありませんが,現在規格の策定が行われているIEEE802.11nでは,2.4GHz,5GHz両方の周波数帯域を組み合わせて,100Mbpsを大幅に超える通信速度が実現される予定となっています。

■2.4GHz帯無線チャネル干渉

 無線LANでは使用可能な無線周波数帯域を,複数のチャネルに区切って独立したチャネルとして使用します。

 2.4GHz帯で使用可能なチャネルはアメリカでは1~11チャネル,多くのヨーロッパ諸国では1~13チャネル,日本では,IEEE802.11bで1~14チャネル,IEEE802.11gでは1~13チャネルとなっています。

 2.4GHz帯では,各チャネルが5MHz刻みで設定され,1チャネルあたり22MHzを使用するため,図3のように,隣接するチャネル(例えば,1チャネルと2チャネル)では使用する周波数帯域が重複し,干渉してしまいます。

図3● 2.4GHz帯チャネル(日本)
図3● 2.4GHz帯チャネル(日本)
[画像のクリックで拡大表示]

 干渉を避けるためには5チャネル以上離す必要があり,その結果,同じ場所で同時に使用できるのは,3つのチャネルのみ(たとえば1・6・11チャネル)となります。なお,5GHz帯では,干渉が生じないチャネルのみが使用可能なため,基本的に上記のような問題は生じません。