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■カバーエリアとローミング

 アクセスポイントからクライアントと無線通信ができるエリアのことをカバーエリア(シスコ用語ではセル)と呼び,IEEE802.11gの54Mbpsで障害物がない場合,20メートル程度になります。

 また,アクセスポイント1台のクライアントは一般的に20台程度までで使用することが推奨されます。このため,企業の広いオフィスなどでは,複数のアクセスポイントを設置することで全体をカバーします。無線LAN経由で通信を行いながらオフィスを移動した場合,設置されたアクセスポイントのSSIDが共通であれば,クライアントの設定を変更することなくアクセスポイントを切り替えながら通信を継続することができます。この動作をローミングと呼びます(図4)。

図4●カバーエリアとローミング
図4●カバーエリアとローミング

 ローミングを行う場合,隣接するカバーエリアは15%程度重ねて設計することが推奨されます。これは,クライアントが電波状況の悪化を把握し,周囲のアクセスポイントを検索して切り換えるまでの時間を確保するためで,カバー範囲が重なってない場所(カバレッジホールと呼びます)があると移動中に通信が切断されてしまいます。

 また,IEEE802.11gでは同時使用できるチャネルが3つしかないため,隣接するカバーエリアとチャネルが重複しないよう,調整を行う必要があります。

■問題の選択肢について

 今回の問題では,近距離に3台のアクセスポイントを設置しローミングさせる必要があるため,共通のSSIDを使用した上で,チャネルの調整を行う必要があります。よって選択肢B,Eは正しい説明です。また,ローミング時の通信にはカバーエリアの重複が欠かせないので,Dも正解です。

 アクセスポイントの距離を考える必要はありません。よってAとGの選択肢は誤りです。隣接アクセスポイントと同じチャネルを使用すると無線が干渉してしまうため,選択肢Cも誤りです。チャネルごとにSSIDを変える必要はないため,選択肢Fも誤りです。