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 「インテルAMT(アクティブ・マネジメント・テクノロジー)」が提供する機能により、クライアントPCの運用管理やセキュリティ機能が大幅に強化される。一方で、エンドユーザーが徹底的に管理されているという“束縛感”を軽減する努力が欠かせない。そのための解の一つが仮想化技術である。今回は、クライアントPC管理のため仮想化技術について解説する。

 第10回第11回で紹介したAMTの諸機能は、クライアントPCの運用管理やセキュリティを大幅に強化する。AMTをサポートするISV(独立系ソフトベンダー)製のクライアント管理ソリューションも着実に増え、ビジネスクライアントの世界に新しい価値がもたらされつつある。

 しかし、まだ解決しなければならない課題はいくつも残されている。例えば、エンドユーザーが徹底的に管理されているという“束縛感”を軽減する努力が欠かせない。AMTのみのクライアントPCでは、エンドユーザーが使用するアプリケーションとクライアント管理ソフトウエアが同一のOS環境下で動作している。つまり、エンドユーザーから管理ソフトウエアの存在が丸見えなのだ。

 このような課題に対する一つ答えが仮想化技術だ。仮想化技術を利用すれば、エンドユーザーから直接見えない場所にクライアント管理のロジックを配置できるようになる。

大型コンピュータから始まったリソース分割技術

 仮想化技術は、1台の物理的なコンピュータ上で複数の仮想的なコンピュータを動かすための仕組みである。コンピュータ内部のハードウエアリソース(CPU、メモリー、ストレージなど)を複数に分割するアプローチは、メインフレームに代表される大型コンピュータで早期に導入されている。大型コンピュータの世界では、高価なハードウエアリソースをさまざまな業務で共有し、効率化を図ることが求められるからだ。

 大型コンピュータでは、システムボードなどの単位でハードウエアリソースを分割するハードウエアパーティショニングが古くから採用されている。しかし、ハードウエアパーティショニングは、それなりに大きなハードウエア規模でなければ成り立たないうえ、パーティショニング機能をハードウエア的に実装することが絶対条件となる。だからこそ、大型コンピュータでこそ意味のあるリソース分割の技術だったといえるわけだ。

 一方、近年は、CPUが1~4個しか搭載していないような小型のサーバーも、一昔前の大型コンピュータに匹敵する処理性能を持つようになった。このため、1台の物理的なサーバー上で一つだけの業務をこなすという従来型のスタイルでは、サーバー上のハードウエアリソースを十分に使い切れなくなりつつある。使われないハードウエアリソースは無駄そのものなので、この余剰リソースを別の業務アプリケーションで活用することができれば、リソースの利用効率を飛躍的に高められる。

小型サーバーへの急速な普及が進む仮想化技術

 そうしたなか、小型のサーバーでも仮想化技術が注目されるようになった。ただし、小型サーバーでハードウエアパーティショニングを実装することは技術的に困難なので、あくまでもソフトウエア的なアプローチによってリソース分割を行う。近年、サーバー仮想化と呼ばれるアプローチは、特にソフトウエアベースのリソース分割技術を指している。

 小型サーバーの環境下で仮想化を行うソリューションも続々と登場している。初期型の仮想化ソリューションは、ベースとなるOS上で仮想化ソフトウエアが動作し、その上でゲストOSが動作する形がとられた。WindowsやLinux、Solarisなどの上で動作するVMware Server、Windows Server 2003向けに開発されたMicrosoft Virtual Server 2005、Solaris上で動作するSolarisコンテナなどがその代表例だ。

 その後、より優れた安定性と柔軟性を手に入れるために、やがてハードウエアの直上で仮想化のロジック(仮想マシンモニター)が動作する形に移り変わっていった。現在では、VMwareやXen、マイクロソフトのWindows Server 2007に搭載されるHyper-Vなど、さまざまな仮想化ソリューションが登場している。これらは、すべてハードウエアの直上で動作する新しいタイプの仮想化ソリューションだ。