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 昨日のことだ。相変わらず応答の遅いサーバーを相手に四苦八苦していると,ついたての向こうから気になるセリフが耳に入ってきた。「私ね,恥ずかしながらWindows Vistaを使い始めたんですよ」と,おじさんが笑いながら言っている。実は,筆者もそうなのだ。

 最近,長年使い続けてきた愛機をPentium 4マシンから一気に最新のCore 2 Duoマシンにリプレースした。これにVistaがプリインストールされていたのである。真正面からVistaと向き合うのは今回が初体験だ。なるほど,がさつなWindows XPと違って,Vistaはオシャレだ。ログオン時などには品のいいチャイムのような音がするし,ウインドウ開閉などの振る舞いもエレガントである。おお,これがウワサに聞いたWindows Aeroの効果かと感心した。

遅まきながらVistaに向き合い,そして挫折した

 ところがだ。使い慣れたアプリケーション群を再インストールする段になって頭を抱えた。まず,最もよく使うテキスト・エディタの挙動がおかしい。WZ EDITOR 4.0が正常に動かないのだ。苦労して使い方を覚え重宝しているPhotoshop Elements 3.0も動かない。いくらなんでもOffice 2003は動くだろうが,これじゃあ安心して使えない。

 いつまでも古いソフトウエアを使い続けるのも後々困るだろうから,これを機会にアプリケーションも一新してみようか。そう思って,最新アプリケーションの体験版をいくつか使ってみて驚いた。不要な機能のてんこ盛りか,ルック&フィールを変えただけの代物ではないか。それに動作が重い。どうやらバージョンアップ・ビジネスもお先真っ暗のようだ。結局,Windows XPを入れ直して,元とまったく同じソフトウエア環境を再現してしまった。

 これで得られたものは,ハードウエアの性能アップだけ。確かに格段に速くなった。が,それとてもいつまで持つことだろう。セキュリティ対策ソフトやWebブラウザなどは肥大化の一途をたどっている。コンテンツもJavaScriptやFlashなどの多用,高精細ビデオの流行などでどんどん重くなってきている。それに端末がいくら速くなっても,ラスト・ワンマイルの回線速度やサーバーの応答速度がボトルネックとなって一向にらちが明かない。約10年前に導入した我が家のADSLも,当初は2Mビット/秒ほど出て歓喜したものだが,現在では1Mビット/秒を切っている。

全自動トランスコーダを備えたWindows 7のメディア・サーバー

 こうしてVistaには挫折したが,その後継のWindows 7には個人ユースで期待していることが1点だけある。それはメディア・サーバーの強化だ。ご多分に漏れず,我が家にも大型液晶テレビ(東芝REGZA 42Z3500)がやって来た。LANでデジタル・ビデオ・レコーダやインターネットにつながっており,ドラマや音楽ライブなどをネットワーク経由で楽しんでいる。この環境でWindows 7 RCを試用してみた。

 Windows 7 RCに添付されている高精細ビデオのサンプル・ファイル「Wildlife(野生動物)」はかなりいける。仕様は解像度1280×720ドット, 6.13Mビット/秒 CBR(固定ビット・レート)のWindows Media Video(WMV)9 Advanced Profile形式。これを大型液晶テレビで見たら,どんな風になるのだろうかと思った。我が家の液晶テレビはホーム・ネットワーク向けのメディア共有プロトコルDLNA(Digital Living Network Alliance)に対応しており,MPEG2形式であればDLNAサーバー上のビデオを視聴できる。Windows 7はDLNAサーバー機能を備えているので,単純に考えればいったんMPEG2形式に変換すれば視聴できる。しかしそれでは芸がない。

 最近流行のメディア・サーバーは,TVersityPS3 Media Serverをはじめ,クライアント側でサポートしていない形式のビデオを再生する場合は,自動的にクライアント側で再生できる形式にリアルタイムで変換(トランスコード)してから送信する,という機能を当たり前のように備えている。実は,Windows 7のメディア・サーバーもこうした機能を備えている。そのカバー範囲は比較的広く,MPEG2やH.264,VC-1(WMV9),MPEG4 Part2,DivXなどに対応している。マシン性能に合わせて最適な形式とビット・レートを自動的に選択してトランスコードを実行するという。

 そこで,液晶テレビ(REGZA 42Z3500)とPLAYSTATION 3,それにWindows 7搭載ネットブック(Acer Aspire one)をそれぞれクライアントとして使って,Windows 7のメディア・サーバー能力を試してみた。サーバーとしてはDell Inspiron 530デスクトップ機(2.8GHz動作のCore 2 Duo E7400搭載)を使った。

 まずREGZA 42Z3500では,なぜかVC-1やH.264形式からMPEG2へのトランスコードがうまく働かず,MPEG2ファイルのみ再生できた(写真1)。しかも奇妙なことに,MPEG2をMPEG2にトランスコードしてから送信しているようで,元の画質よりも汚くなった。他のメディア・サーバーと違い,このトランスコーダは全自動になっているため,設定を調整しようがない。

写真1●REGZA 42Z3500ではVC-1やH.264形式からMPEG2へのトランスコードがうまく働かず,MPEG2ファイルのみ再生できた
写真1●REGZA 42Z3500ではVC-1やH.264形式からMPEG2へのトランスコードがうまく働かず,MPEG2ファイルのみ再生できた
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 次に,PLAYSTATION 3ではVC-1,H.264,MPEG2のいずれも問題なく再生できた(写真2,3)。これはトランスコーダのおかげではなく,PLAYSTATION 3がいずれの形式もサポートしているからと思われる。事実,画質劣化がまったく感じられない。

写真2●PLAYSTATION 3ではVC-1,H.264,MPEG2のいずれも問題なく再生できた
写真2●PLAYSTATION 3ではVC-1,H.264,MPEG2のいずれも問題なく再生できた
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写真3●PLAYSTATION 3でWindows 7の付属ビデオを再生しているところ。仕様は解像度1280×720ドット, 6.13Mビット/秒 CBR(固定ビット・レート)のWindows Media Video(WMV)9 Advanced Profile形式
写真3●PLAYSTATION 3でWindows 7の付属ビデオを再生しているところ
仕様は解像度1280×720ドット, 6.13Mビット/秒 CBR(固定ビット・レート)のWindows Media Video(WMV)9 Advanced Profile形式
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