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エーピーシー・ジャパン
ソリューション事業部 プラットフォームエンジニアリング部
プラットフォームエンジニア
山本 武

 IT機器の電源システムにとって重要なことは,「電源に障害が発生しても,可能な限り機器に給電を継続できる機能」を持っていること,つまり停電をせずに一定電圧,一定周波数の電源を負荷に供給することである。

 ここで重要なのは,電源システムの各機器の「故障をなくしていく」のではなく,「各機器で故障が発生してもできるだけIT機器には影響を与えない」ということである。電源システムは必ず故障あるいは何らかの障害を起こすリスクがあり,それは機器自体の故障だけでなく,外的な原因によるものも多く,ゼロにすることは難しい。よってそれらのリスクを排除していくだけではなく,うまく回避できるようにすることが必要である。

 では,データセンターのIT機器に必要な電源システムを構築する場合,何を検討すべきなのか。その基本から考えていこう。

データセンターに適した電源システムの条件とは

 第1回で説明したように,電源の障害リスクとなる要因のうち,下記の2つについて考えてみよう。

(A)単一の配電経路しかない。
(B)配電経路に「単一障害ポイント」となる機器がある。

 ここでは,一般的な電気設備設計にとって必要なこと,すなわち上位の電源設備容量や,末端分岐ブレーカ容量については十分に考慮されているものとする。その前提でこれら(A),(B)のリスク要因を排除するには,それぞれ下記のような対策ができればよいことになる。

(A)の対策:電源から負荷までの配電経路を2つ以上持ち,両方使用できなくなっても残りの経路を通じて給電を継続できること。
(B)の対策:電源機器のいずれかに障害があってもバックアップがある,または障害を回避する手段があり,単一機器の障害が他に波及しないようにすること。

 このためには,電源の「冗長化」(または二重化)という対策が必要である。そして「できるだけ負荷に近いところまで確保する」ことが必要となる(図1)。

図1●冗長電源を負荷に近いところまで確保する
図1●冗長電源を負荷に近いところまで確保する