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Forrester Research, Inc.
G・オリバー・ヤング シニアアナリスト

 Web 2.0ソフトを従業員の協業や生産性向上に使う「エンタープライズ2.0ソフト」が急速に存在感を増している。今年は2社に1社が使い始めるだろう。概念が生まれてから3年しかたっていないことを考えると、これは驚くべき数字だ。

 確かに、エンタープライズ2.0ソフトを全社展開した企業はまだ少ない。依然として懐疑的な見方も残っている。だがWikiやソーシャルネットワーク、ディスカッションフォーラムの企業内利用を支持する人々は、IT部門だけでなく業務部門でも増えている。

 フォレスターが北米・欧州の1015社を対象に調査をしたところ、年末までに47%の企業が、少なくとも1種類のエンタープライズ2.0ソフトを本格利用する予定だった()。年内に試験導入を予定している企業も11%あった。25%は検討を始めていた。この種のソフトに全く関心を示さない企業は16%しかいなかった。2007年末の49%から大幅に減った。

図●エンタープライズ2.0ソフトの導入動向
図●エンタープライズ2.0ソフトの導入動向
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 調査ではいくつかの興味深い傾向も見られた。例えば大企業のほうが導入に積極的だった。導入に積極的なのは中小企業というのは間違った「神話」だった。

 導入を検討する企業は増えているが、そのほとんどは1種類または2種類の導入しか考えていない。統合製品のほうが割安で導入効果も高いとされるが、実際に統合製品を選ぶ企業は今のところ少ない。

 導入企業の多くは、エンタープライズ2.0ソフトは柔軟性に富んでおり、様々なコラボレーションシナリオに適用できることに気付いた。このため複数の用途にエンタープライズ2.0ソフトを適用しようとしている。回答数の多い利用シナリオは「知識共有」「企業内コミュニケーション」「プロジェクトマネジメント」で、続いて「部門間コラボレーションの促進」「電子メール利用や会議の削減」「従業員サービスの向上」「イントラネットポータルの改革」「イノベーションの促進」「専門家の最適配置」などにも適用が進んでいることが分かった。

 導入した企業でも、社員の利用率は必ずしも高くない。社内ブログや社内Wikiにアクセスしている社員の割合は1割程度。社内ポータルにアクセスする割合が4割であるのと比較すると、その差は歴然としている。

 世界的不況のなかでIT予算の削減が進む今、ベンダーはエンタープライズ2.0ソフトがコスト削減にも有効なことを示す必要がある。例えばRSSやマッシュアップはアプリケーション統合に効果を発揮する。先行ユーザーによる成功事例をユーザーにどれだけ示せるかが、今後の普及の鍵を握るだろう。

◆本記事は,“The Enterprise 2.0 Buyer Profile:2009”を編集部で翻訳・構成したものです。