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人間関係の悪さが業務効率を下げる

 人には必ずムラがある。10人の営業マンがいたら、10人全員が必要な額を売る必要はなく、その平均値で全体に必要な額に達すればいい。全員が駄目ということはまずない。もちろん、適度な売り上げ目標額は提示しているが、それを達成しなければならないというようなことは言っていない。

どうやって業務効率を高めるのか。

 情報共有のための社内掲示板や、自社開発の受発注システムなどが業務効率を高めている。だが、最も効果が大きいのはフラットな組織と挨拶だ。当社は役職や職種に差がない。言葉使いも全員が敬語。これが業務効率を高める。

 例えば、だれかがだれかに仕事を依頼しても、頼まれた方が悪い顔をすることはほとんどない。「営業が上で、アシスタントが下」というような社内構造で、上から目線で仕事を頼まれたら、「むっ」とすることもある。そうなると、そこで仕事は止まってしまう。結局、人間関係の悪さが業務効率を低下させることが、非常に多いのだ。そこに気づいていない人が多い。

 IT業界は先進性のイメージが強く、礼儀正しさや勤勉さを二の次にする傾向にあると思う。その中で競争優位性を持つには、やはり人材で戦っていくべきだろう。

 当社では、全く経験がない社員にプログラムをさせても、1年で経験10年のプログラマを超えることがある。礼儀正しく、頭がよく、営業でも総務でも、何でもやれる人は、プログラムさえ例外ではないのだ。昔は当社もプログラム経験者を中途採用したり外注で仕事を依頼したりしていたが、挨拶もまともにできない人が多く仕事の依頼がしづらかった。そのうえ、ところどころで手を抜いてくる。だから、プログラム経験者で正確のいい人を探すのは無理と割り切った。

いい人は、どうやって採るのか。

 いい会社にすることにつきる。一般的にいい会社とは、規模が大きく、利益が出ている会社を指すだろう。だが当社が考えるいい会社とは、いい人がいて、いい社風で、だからこそいい人が集まり、それが業績にも反映される会社だ。

 やはり会社は従業員のものだ。働いている人が幸せにならずして、株主や取引先などのパートナーを幸せにできるとは思わない。社員の幸せこそが、第一であるべきだ。そうなれば、会社説明会で嘘をつく必要もなくなる。新入社員がすぐに会社を辞めるという話は、入る前と入った後のギャップが大きいためだと考えている。当社は、ありのままの姿を学生たちに話せるので、これまでに入社した新卒採用者はだれも辞めていない。

社員同士で評価したり、新卒しか採用しないなど、ノルマなしの営業姿勢のほかにも、ユニークな経営手法が目立つ。きっかけは何か。

 2005年4月が完全な区切りだった。2004年12月に約1億円を増資し、人を大量に採用したのだが、大失敗した。人数は3倍以上になったが、ほとんどの人たちと性格や価値観が合わない。「この人たちのために仕事をしているのはどうなのか」「この人たちがいるだけで何をしても意味がないと思える」との疑問が沸いてきた。お金のために我慢するか、お金がなくてもこの人たちと別れるか、を考えた結果、この人たちと別れたいと思った。