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木村 剛 氏
日本ヒューレット・パッカード エンタープライズ ストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 サーバプロダクトマーケティング部
木村 剛 氏

 「製品が売れる仕組みを作るためなら,どんな仕事でもこなします。販売促進で使う動画を撮影するディレクタを務めたこともあります」。こう語るのは,日本ヒューレット・パッカード(HP)でサーバーの製品マーケティングを手がける木村 剛氏だ。

 マーケターの主な仕事は,自分の担当する製品を販売するための戦略立案と,その具体策の実施である。典型的なのは,IT製品の持つ技術的な特徴をユーザーが実感できるメリットに“翻訳”し,Webサイトやカタログ,セミナーといったメディアを駆使してユーザーに訴求することだ。市場を調査して,製品の価格も決める。

 マーケターに求められるスキルは,何と言ってもコミュニケーションスキルである。売れる仕組みを作るには,関係部署に改善要求を出し,かつそれが聞き入れられるだけの根拠を示さなくてはならない。

 工夫を凝らすポイントは数限りない。サーバーという製品は,製品企画,開発,販売促進,営業活動を経てユーザーの手に渡る。稼働後も保守という形でメーカーとユーザーのかかわりは続く。そのすべての局面で,マーケターはヒアリングと調査,フィードバックをかけていく。

資格は不要,だがマルチタレントであれ

 マーケターというと「市場の調査・分析のイメージがあるが,業務全体からすればほんの一部に過ぎない」と木村氏。理論派で華やかなイメージが強いマーケターだが,実際に求められる能力は製品/サービスが顧客の手に届くまでのサイクルすべてでの調整力である。

 木村氏は,法人営業,通信事業者担当営業,市場開発,営業・技術支援チームのトレーニング担当を経て,技術・ソリューション担当としてマーケティング業務に就いた。「通信事業者への営業では,IT業界で最も品質に対して厳しい顧客のニーズを学びました。それ以外の部署での経験もマーケティング業務で協力する機会が多いので,仕事を円滑に進めるバックグラウンドとなっています」と話す。

 グローバル企業の場合は,国や地域に応じて訴求点や製品そのものを変えていく必要がある。日本HPのように米国に本社がある企業なら,日本ならではのニーズを絶えず米国にフィードバックする。各国から同様のリクエストが上がってくる中で,日本からの要望が製品企画や開発にどう生かされるかはマーケターの力量にかかっている。それだけに「日本ならではのニーズが製品に反映されたときや,市場シェアとして結果が数字に出たときに,やりがいを感じます」。

 マーケティングのバイブルとして知られるPhilip Kotlerの著作は「壁に当たったときのヒントとして」読み返す程度。理論は存在するものの,具体的な手法とツールは,市場やITの変化によってダイナミックに姿を変えていくからだ。「柔軟性が大事。思い込まない方がよい」(木村氏)という姿勢を持つことが,よいマーケターへの近道になる。

お仕事解説:マーケター

製品/サービスと顧客を結びつける仕事

 IT業界におけるマーケターとは,製品やサービスを顧客と結びつける“仕組み”を用意する職種である。顧客が求めるソリューションを把握または推定。地域や顧客ごとに異なる製品/サービスのメリットを訴求する。また販売実績や顧客の声などを分析し,販売手法の改善や開発への要望,他社と連携して商品を管理するSCM(Supply Chain Management)の修正といったフィードバックをかける。

 主な業務内容は,訴求方法の確立,価格付け,市場や販売データの分析,販売店との折衝,社内外の問い合わせに対する返答と多様。他部門と協力して実施する業務としては,広報・取材対応,営業支援などがある。

必要なスキル

  • コミュニケーションスキル
    情報収集,製品/サービスへの改善要求を関係部門との折衝の中で進めるのに必須。
  • マーケティングの基礎理論
    経営学者Philip Kotler氏の著作は必読。
  • 文章,コピー作成力
    カタログなどの資料で製品/サービスを訴求する武器になる。
  • 製品/サービスへの技術的理解
    担当製品/サービスをかみ砕いて説明するために必要。