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写真1●UQのWebサイトでサービスエリア情報<br>首都圏はほぼカバーしつつある。
写真1●UQのWebサイトでサービスエリア情報
首都圏はほぼカバーしつつある。
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 UQコミュニケーションズのデータ通信サービス「UQ WiMAX」が2009年7月1日から本格稼働する。IEEE 802.16e方式のモバイルWiMAX技術によるサービスで,屋外などにノート・パソコンを持ち出す際のインターネット接続に利用できる。従来の第3世代携帯電話(3G)によるデータ通信の速度は数Mビット/秒だが,UQ WiMAXでは条件がよければ10Mビット/秒以上。より快適なモバイル通信が実現できるとあって注目を集めている。

 UQコミュニケーションズは,2月下旬から6月までは約8000人を対象に無料の試験サービスを提供してきたが,7月からは有料サービスに移行する。定額プランの「UQ Flat」の料金は月額4480円。新幹線の車内や都営地下鉄の駅で接続できる無線LANオプション「UQ Wi-Fi」も追加料金なしで利用できる。1日だけ利用できるプラン「UQ 1Day」も用意した。料金は1日600円。ただし,UQ Wi-FiやUQ 1Dayは10月からの開始となる。

 現状でカバーしている通信エリアは,首都圏,名古屋周辺,大阪や神戸。エリア情報はWebページで公開している(写真1)。エリアは徐々に拡大されるというが,郊外など電波が届かない場合もある。そこでUQコミュニケーションズは,自宅やオフィスの接続状況を確認できるようにするため,15日間無料の「Try WiMAX」サービスを7月1日に開始する。

 端末はUSB型やカード型(写真2)があり,パソコンに接続して通信する。UQ WiMAXの通信機能を内蔵したノート・パソコンも登場する。NEC,ソニー,デル,東芝,パナソニック,富士通,レノボジャパンなど国内でパソコンを販売している主要メーカーがWiMAX内蔵モデルを投入する予定だ(写真3)。多くのメーカーが参入する背景には,CPUメーカーのインテルがWiMAXの普及を強力に推進しているという理由もある。

写真2●端末にはUSB型やカード型など複数の種類がある
写真2●端末にはUSB型やカード型など複数の種類がある
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写真3●UQ WiMAXの発表会ではパソコン・メーカー各社がWiMAX搭載ノートの開発を公表
写真3●UQ WiMAXの発表会ではパソコン・メーカー各社がWiMAX搭載ノートの開発を公表
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■参考記事:UQが1日プランなどWiMAXの新プランを公表,WiMAX標準搭載PCも登場へ
■参考記事:UQ WiMAXの試験サービスが開始,基地局を増やして真のブロードバンドを目指す
■参考記事:UQがモバイルWiMAXサービスを2月下旬から試験開始,実効16Mbpsで月額4480円

ISPや家電量販店のMVNOサービスが続々登場

 UQ WiMAXを利用する際の契約方法は,従来のデータ通信サービスと少し異なるケースもある。ノンブランド端末やWiMAX搭載パソコンの場合は,購入する際に店頭で契約の手続きをする必要はない。購入した後,UQ WiMAXを初めて利用するときにオンラインで契約する。また,UQコミュニケーションズだけでなく,MVNO(仮想移動体通信事業者)の中からも契約事業者を選択できる。

 MVNOとは,UQコミュニケーションズの網を利用して,それぞれのブランドでWiMAXのサービスを提供する事業者のこと。インターネット接続事業者(ISP)ではNECビッグローブとニフティ,家電量販店ではビックカメラとヤマダ電機,通信事業者ではKDDI,商社系ではダイワボウ情報システムがUQ WiMAXのサービスを開始する。

 数多くのMVNOの参入によって,さまざまな種類のサービスが登場することが期待されている。例えば,トリプレットゲートは,既存の公衆無線LANサービスとWiMAXを組み合わせて提供するという。

■参考記事:WiMAXと公衆無線LANがセットの新サービス,コンテンツ配信やコグニティブ無線ルーターの提供も計画
■参考記事:NECビッグローブがモバイルWiMAXの受け付けを開始,月額4263円で7月からサービス開始
■参考記事:ニフティ,モバイルWiMAXサービスをMVNO方式で提供,有償サービス開始は7月1日

 UQ WiMAXの通信速度は理論値で下り最大40Mビット/秒,上りは最大10Mビット/秒。UQコミュニケーションズの田中孝司社長は「(従来のデータ通信サービスのような)なんちゃってモバイル・ブロードバンドではない,真の制限のない(高速な)サービスを提供する」と2月の発表会で語り,下り16.4Mビット/秒,上り3.9Mビット/秒の実効速度が出る様子を見せた。

 実際に試験サービスで配布された端末を使って,街中で通信速度をテストしてみると,場所やテスト方法によっては数Mビット/秒にとどまったが,条件によっては10Mビット/秒以上で通信できることが確認できた。ただ,屋内の電波が届きにくい場所では通信が途切れやすいという傾向も見られる。

■参考記事:最速は池袋?東京の名所でWiMAXをテスト
■参考記事:UQ WiMAX端末の実機で接続スピードを検証,屋内での電波減衰が弱点か

イー・モバイルやウィルコムも追い上げ

 今後は,UQ WiMAXと競合するデータ通信サービスも登場してくる。イー・モバイルは,8月上旬にHSPA+(high speed packet access plus)方式のサービスを開始する。通信速度は最大21.6Mビット/秒。同社によるフィールド試験では,地下街で15.2Mビット/秒の速度を記録したという。

 ウィルコムは2009年10月に,上り下りとも最大20Mビット/秒の次世代PHS「XGP」を開始する。現在は,一部のユーザーに向けて試験サービスを実施している段階。編集部が通信速度を実測してみると,条件がよければ10Mビット以上の速度を記録した。場所によってはUQ WiMAXより高速という結果も出ている。

 先行して本格サービスを開始するUQ WiMAXは,MVNOやパソコン・メーカーを取り込みながらサービスの普及を目指す。これに対して,イー・モバイルやウィルコムも速度を向上させて追い上げる。2009年後半にかけては,各事業者が繰り広げる激しい競争から目が離せないことになりそうだ。

■参考記事:XGPは速かった! 条件が良ければ10Mビット/秒超も
■参考記事:ウィルコムの“次世代PHS”「XGP」を試す
■参考記事:「WiMAXと十分競争できる」---イー・モバイルが21Mbps通信サービス対応端末を発表
■参考記事:イー・モバイル,21Mbpsの通信サービスでWiMAXに対抗