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 プロジェクト成否の鍵を握るコスト見積もり。本書は日本IBMで30年以上にわたりシステム開発プロジェクトに携わった筆者が,自身の経験を基に各種コスト見積もり技法を開陳している。経験に基づくものだけに,理論に偏った書籍にありがちな「真似できない!」という感覚に陥らずに済む。見積もり技法を実際のプロジェクトに適用する例や,適用できないケースなどの落とし穴も丁寧に解説している。

 本書はシステム要件からトップダウンで見積もる技法と,成果物をボトムアップで積み上げる技法を挙げる。トップダウン技法には「ファンクションポイント法」や「COCOMO II」といった聞き覚えのあるキーワードが並ぶ。いずれも採用例は増えてきたが,筆者はこれだけでは不十分と主張する。ボトムアップで見積もる技法も駆使して,より精緻に見積もることがプロジェクト成功への近道という。

 トップダウンからボトムアップへの一貫した見積もり技法を身につけられるよう,本書の構成はかなり練り込まれている。読破すれば間違いなく「見積もり筋肉」が身に付く。半面,一部を読んで目の前の仕事へ即座に生かすような“つまみ食い読み”には向かない。腰を据えて読んでほしい。

プロジェクトコスト見積もり入門

プロジェクトコスト見積もり入門
岡村 正司著
日経BP社発行
2730円(税込)