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 今回の問題は,「プロジェクト人的資源マネジメント」の知識エリアに関連し,動機付け理論に関する問題です。動機付け理論については,PMBOKガイドには記載されていませんが,PMPの試験範囲に含まれます。

 さて,問題文中の理論は,ハーツバーグの「二要因論」と呼ばれる動機付け理論です。

 ハーツバーグの二要因論とは,人間のやる気に影響を与える要因には,不満に思う要因(衛生要因)と満足に思う要因(動機付け要因)の2つがあるというものです。

 衛生要因としては給与や労働条件などが挙げられ,それらの欲求が満たされないと人は不満に感じるが,欲求が満たされると不満は解消されます。ただし,衛生要因に対処しただけでは,やる気は恒常的には向上しません。

 一方,動機付け要因としては仕事の達成感や結果への承認などが挙げられ,それらの欲求が満たされると,人はさらに仕事に対するモチベーションが向上し,モチベーションも継続します。したがって,メンバーのモチベーションを上げるには,衛生要因だけでなく動機付け要因にも働きかける必要がある,ということになります。

 その他の選択肢に出てくる人物も,とても重要です。

 選択肢2のエドワーズ・デミングは,動機付けではなく,品質管理で登場します。デミングは,戦後の日本に品質管理の考え方を導入した人物で,この品質管理の考え方は,TQM(Total Quality Management:総合品質管理)として知られています。

 選択肢3のアブラハム・マズローは,人の欲求を5つの段階(生理欲求,安全欲求,認知欲求,尊厳欲求,自己実現欲求)に分け,低次の欲求が満たされると,高次の欲求が現れるとしました。

 選択肢4のフィリップ・クロスビーは,デミングと同じく,品質管理の分野で登場します。クロスビーは「ゼロ欠陥運動」を提唱し,「マネジャーは,品質管理を行う際の目標として,人為的なミスが起こり得ることを前提に目標値を設定してはいけない。常に欠陥ゼロを目標にすべきだ」と唱えました。

 以上より,今回の問題の解答は選択肢1ということになります。