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 イーサネットは,今やオフィスだけでなく,工場やプラントといった生産現場でも広く使われている。このような「産業用イーサネット」は,リアルタイム性や信頼性,耐環境性といった要件が厳しく,オフィス用のイーサネットとはかなり異なるものになっている。本書は,産業用イーサネットの全体像を解説する。

 本書のターゲットは,本来は生産現場のネットワーク担当者だが,ネットワーク技術に関心がある人すべてに興味深い内容を含んでいる。リアルタイム性を追求するためにTCP/IPを使わないことがあったり,信頼性を高めるために端末をリング状に結ぶ使われ方がされたりするのは,もっぱらオフィス用途でイーサネットに関わるネットワーク担当者にとっては驚きだろう。

 本書は,単に理解するための全体像だけでなく,実際に産業用イーサネットを構築するときの考え方にも触れている。ゾーニングの考え方やアドレス設計の考え方は,オフィス用ネットワークに通じるものがある。

 本書の後半,約三分の一では,産業用イーサネットに関連する規格をまとめている。ネットワーク担当者にとって,知的好奇心を刺激される一冊に仕上がっている。

産業用イーサネット入門

産業用イーサネット入門
内藤 辰彦/渡辺 紀編著
CQ出版社発行
2940円(税込)