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 グローバル市場におけるIPTVサービスの普及を目指し,IPTVの標準規格を検討しているOpen IPTV Forum(OIPF)のYun Chao Hu議長がこのほど来日し,規格策定作業の進捗状況や今後の作業スケジュールについて説明した。

リリース1と2の検討を平行して進める

 Hu議長によると,OIPFによる最初の仕様となる「リリース1」は,2009年1月までにリクワイアメント(要求仕様)とアーキテクチャー,ソリューション・スペシフィケーション(技術仕様)についての検討を終了し,現在インターオペラビリティー(相互運用)とプロファイリングの作業を行っているという。6月中には検討作業がほぼ終了し,8月をめどに完成予定である。

 リリース1の検討作業と並行してリリース2の準備も進めている。リリース2は利用者ごとのカスタマイズ,パーソナライズ機能を強化する方向で作業を進めている。2009年1月に要求仕様の検討が終了し,現在アーキテクチャーと技術仕様を検討している。2009年末~2010年初頭の完成を目指している。

 日本のIPTVフォーラム規格との相互運用については,現在OIPFとして正式にすり合わせの作業などはしていないという。ただしOIPFに参加する日本企業の中には,IPTVフォーラムに参加する企業も含まれており,「会員企業のレベルで情報収集や意見交換を進めている」(Hu議長)状況である。OIPF規格とIPTVフォーラム規格の間にはコンテンツ記述言語や採用するDRMに違いがある。相互運用のハードルについては「将来的には,秋葉原で買えるOIPF規格準拠のSTBでIPTVフォーラム規格向けのサービスも利用できればいいと思う」(Hu議長)と,楽観的な考えを示した。

通信機能を活用したサービス仕様を盛り込む

 リリース1は固定通信網を使ってテレビやセットトップ・ボックス(STB)向けにIPTVサービスを提供する前提で仕様を策定している。具体的な項目としては,(1)番組のライブ配信向けとして「SDTVとHDTVのコンテンツ配信」,「音声のみサービス」,「EPG」,「サブスクリプションとペイ・パー・ビュー」に関する仕様,(2)録画サービス向けとして「端末側およびネットワーク側でのPVR機能」,「シリーズ番組録画」,「端末側でのタイムシフト機能」に関する仕様,(3)ビデオ・オンデマンド(VOD)向けとして「SDTVとHDTVのコンテンツ配信」,「音声のみサービス」,「カタログ機能」,「サブスクリプションとペイ・パービュー」,「ストリーミング配信とダウンロード配信」に関する仕様などを検討している。

 また,日本のIPTVフォーラム規格と比較して,通信機能を活用したIPTVならではのサービスに関する仕様が数多く盛り込まれているのが特徴で,(4)ユーザー・インターフェース/ポータル関連として「Webアクセス」や「インタラクティブ・アプリケーション」,「放送リマインダー」,「緊急警告」,(5)ユーザー・サービス管理関連として「家族アカウント」,「ユーザー・プロファイル管理」,「ペアレンタル・コントロール」,「STBのリモート操作」など,(6)コミュニケーション・サービス関連として「インスタント・メッセージングとチャット」や「サービス利用中,あるいは視聴番組の告知機能」,「呼び出し電話のポップアップ」,(7)そのほかとして「広告表示」や「ホームネットワーク内のコンテンツ共有」―─といった機能が盛り込まれる予定である。

リリース2はパーソナライズ機能を強化

 リリース2では,より個人の嗜好に合う番組を視聴しやすくするためのパーソナライズ機能を強化する。具体的には(1)ユーザー・インターフェースに関連して「コンテンツ検索」,「携帯電話機やPDAによる遠隔操作」,「映像と関連情報を別画面・別機器に表示するマルチ・スクリーン機能」,「リモート・デバイスへのリマインダー機能」,「Webコンテンツのフィルター機能」,(2)ユーザー管理機能として「子供が視聴中の番組が分かる拡張版ペアレンタル・コントロール」,「端末間でのユーザー設定の移行機能」,「シングル・サイン・オン」,(3)通信サービスとして「音声および映像による電話機能」,(4)そのほかとして「パーソナライズされた広告表示機能」,「利用者間のコンテンツ共有」,「異なる機器間でコンテンツの続きを視聴できる機能」,「視聴者数測定」――などの検討を進めている。