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 VHF-Low帯マルチメディア放送推進協議会(VL-P)は,2009年6月16日にVL-Pの検討状況について記者説明会を実施した。現在VL-Pでは,VHF-Low帯を利用した携帯端末向けマルチメディア放送「地方ブロック向けマルチメディア放送」の運用規程を策定している。この記者説明会では,情報通信審議会での技術的条件策定状況およびVL-Pの活動状況として会員から提案されたサービスイメージと運用規程策定スケジュールが報告された。

写真1●VL-P事務局 黒田徹氏(NHK 総合企画室 統括担当部長)
写真1●VL-P事務局 黒田徹氏(NHK 総合企画室 統括担当部長)

 VL-Pは,2011年7月24日の地上波アナログテレビジョン放送停波後に空くVHF帯周波数のうち,VHF-Low帯の1~3ch(90M~108MHz)の18MHz幅を使った「地方ブロック向けマルチメディア放送」と「新型コミュニティ放送」の実現に向けて,放送事業者の運用規程を策定するために2009年2月20日に設立した任意団体である。設立当時は参加企業が108社だったが,現在は119社が参加。日本の民放ラジオ局数の127局に近い数の企業が参加しており,「非常に期待が高いと感じている」とVL-P事務局の黒田徹氏(NHK 総合企画室 統括担当部長)は説明する(写真1)。

 総務省情報通信審議会放送システム委員会は,携帯端末向けマルチメディア放送を実施するうえで国の技術基準,つまり電波行政にかかわる国の強制規格となる技術的条件を固め,2009年6月12日に公表,現在パブリックコメントの募集が行われている。そして,7月28日の情報通信審議会情報通信技術分科会にて答申される予定だ。

 VL-Pは,この技術基準を基に放送事業者がどういった形で運用いていくのか,どういったサービスが実現可能なのか,どういった置局条件の中でどれくらいの帯域がとれるのかなどの検討を行い,サービス開始前までに運用規程を策定する。

 この運用規程策定作業は,放送事業者が実施したいサービスを実現するために必要な機能要件の洗い出しから行なわれる。そして,洗い出された機能要件の中から技術的に実現できるかどうかを検討し,運用規程に結び付けていくことになる。そこで,VL-Pでは「サービス検討作業班」を設置。会員となっている企業がどのような受信機を想定し,どのようなサービスや番組を提供したいと思っているのかを洗い出しを行い,機能要件を整理する作業を進めている。また,サービス検討作業班が整理した機能要件を基に,最終アウトプットである放送事業者運用規程を策定して,ARIB(電波産業会)へ提案する「運用規程策定作業班」と地方ブロック分けやブロックごとの実施可能な帯域幅について,放送事業者としての案を作成する「置局検討作業班」が設置されている。

多彩なサービスを提案

 サービス検討作業班では,会員各社からサービス実現の可能性は別として,実施したいと考えているサービスの募集を行った。その結果,「現時点で50を超えるサービス提案が集まった」(サービス検討作業班主任(TOKYO FM デジタルラジオ事業本部 副本部長)仁平成彦氏)。

 提案されたサービスを整理すると,4種類に大別できる(図1)。1つ目は,携帯電話以外にPCや携帯ゲーム,電子ペーパー,PDA(携帯情報端末),携帯オーディオ,デジタルフォトフレーム,テレビ,テーブルラジオ,カーナビ,デジタルサイネージなど多彩な受信機を想定したサービス。2つ目は,今までのワンセグと同等のサービスから,有料放送や放送波を使ったコンテンツ・ダウンロード・サービス,インターネットのコンテンツをそのまま放送波で配信するIP放送,放送の一斉同報機能を利用したプッシュ型サービスなどの高機能なサービス。3つ目は,地方ブロック向けマルチメディア放送の特徴でもあり,地域に特化した地域の文化や社会情報など地域コンテンツを提供するサービス。4つ目は,緊急地震速報などの災害情報を提供する地域の安心・安全に貢献するサービスである。

図1●サービス一覧
図1●サービス一覧
VL-P会員各社から50件を超えるサービス提案があった。
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