PR
ウェザーニューズのCIOに相当する西祐一郎システム開発本部長

 ウェザーニューズは1990年代に日本で商用インターネットサービスが始まった初期から、インターネットを通じた気象情報サービスに取り組んできた。携帯電話のiモードでも開始当初から公式サイトを開設するなど、立ち上げの早さがその後の競争優位を生み出している。

 ウェザーニューズのCIO(最高情報責任者)に相当する西祐一郎システム開発本部長は、一般消費者向けの気象情報サービスを手がける子会社ウィズステーション(千葉市)の取締役(CIO)も兼務している。「気象情報というと、天候の専門家が予測を立てるところに目が行きがちだ。しかし、注意報などの情報が素早く正確に現地の人に伝わらなければ(洪水などのときに)人の命は救えない。気象情報の提供では、情報を『伝える』ことの重要性を強く認識している」と語る。

 西本部長を含め、ウェザーニューズの社員にとって合言葉になっているのが「気象は眠らない」というものだ。自然は決して待ってはくれないので、24時間365日の事業運営が欠かせなくなる。スタッフにとっても、コンピュータシステムにとっても大変な負担がかかる。

 それでもウェザーニューズは「フォールトトレラントなシステムの構築には莫大なコストがかかるので、当社はそのようなアプローチをとっていない」と明かす。逆に「できるだけ標準的で汎用的な機材を使ってシステムを自前で構築し、部品の交換も容易にしておいたうえで、ソフトウエアとの組み合わせで無停止のシステムを独自に実現している」という。

 西本部長は「末端のシステムでトラブルが出ることはあっても、中枢である気象情報の集配信システムは10年以上にわたり無停止。全システムが停止したことは一度もない」と胸を張る。

 気象情報サービスは情報の収集から加工、配信までシステムが無くては成り立たないビジネスだ。だからこそ、「システム開発はあくまでも自前主義を貫き、自分たちのビジネスの運命は自分たちでコントロールできるように心がけている」と語る。

Profile of CIO

◆経営トップとのコミュニケーションで大事にしていること
・トップ自らが普段から言っているのは、「難しいことを簡単に、簡単なことを楽しく、楽しいことを深く伝えることがコミュニケーションの次元を上げる」ということです。IT(情報技術)に関する話題では、とかく専門的な用語を並べてしまいがちですが、それを避け、分かりやすい抽象概念に置き換えて理解を深めてもらう。
  そうすることで、経営トップは経営判断に意識を集中できますし、同じ話を現場のリーダーに向かってすれば、現場での自由裁量の範囲を明確にすることができます。

◆ITベンダーに対して強く要望したいこと、IT業界への不満など
・残念ながら、ほとんどのSI(システム・インテグレーション)企業さんは不誠実だということです。発注する側と受注する側に対立関係があって、いかに仕様を削り、バリューを増やすかということに心血を注ぐ“Greed型(強欲な)”ベンダーが主流を占めています。これは長期的に見て、業界全体をシュリンクさせる要因になっています。
  例えば、ソフトウエア受託開発契約にもその姿勢を感じます。ソフトウエアはハードウエアと違って、経年変化というものは原理的に発生しません。あらかじめ隠されていた不具合を期間内に見つけられなければ逃げ切りますという、不平等な契約なわけです。このような契約を悪しき習慣とみなして、何が顧客にとっての価値創造になるかを真剣に考えるベンダーさんが増えてもらいたいものです。
  私が希望しているのは、「一緒に仕事をしてくれるパートナー」であって、互いに提案をし、共感することで、「この意義ある仕事を一緒にやり遂げる喜び」が主題です。「金銭的関係が主たる目的ではない」(もちろん、お互いに納得できるコストは負担するわけですが)と真剣に考えてくれるところです。今は幸いにして、そういった企業とお付き合いさせていただいています。

◆普段読んでいる新聞・雑誌
・特にありません。

◆最近読んだお薦めの本
・『ITにお金を使うのは、もうおやめなさい』(ニコラス・G・カー著、ランダムハウス講談社)

 少し前の本ですが、著者のカー氏はこのほかに『クラウド化する世界』(翔泳社)なども出しています。各企業における今後のIT投資の方向性について、重点を置くべきポイントを再考する機会になると思います。もしかしたら、CIOなんて役職も数年後には不要になるかもしれません。
  ITというのが特別で限られた人だけが手にする技術という時代は終わりました。しかし、誰にでも使えるようになったからこそ、真の価値を生み出すためには、さらに高い次元での共感を得られるソフトウエアデザインが求められていると考えています。

◆よく見るインターネットサイト
・ウェザーニュース
・Yahoo!ニュース

◆ストレス解消法
・当社の気象ライブ番組「SOLiVE24」をネット視聴しながら、チャットに参加しています。