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Android端末の魅力的な機能が使える

 iPhoneが2007年1月にリリースされて以来,フルタッチパネルの携帯端末が一躍世界的なトレンドとなった。それだけでなく,GPSや加速度センサー,iPhone 3GSでも採用された電子コンパスなど,多彩な機能が端末に搭載されるようになった。

 Androidの場合,これらの機能を搭載するかどうかについては,基本的に端末メーカーが判断することになる。だが実際には,端末メーカーの多くが上記の機能を搭載することになるだろう。Androidフレームワークによって,端末の機能をアプリから簡単に利用できるよう,開発環境が整えられている。

 今回は,特徴的な以下の4つの機能を紹介しよう。

・位置情報の利用と地図表示

 Android端末では,Google Maps APIとGPSが利用できるため,Google Mapsを利用した地図アプリを簡単に開発することができる。

図3●上から時計回りに「Google検索」「カレンダー」「時計」のウィジェット
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・3D表示

 Androidでは,OpenGL ES 1.0を使った,3Dアプリケーションを開発することができる。Java VM上で動作するため,処理速度に問題はあるものの,迫力のある3Dゲームなどを作成できる。

・ウィジェットと通知機能

 ホームスクリーンに追加する,再生プレーヤやカレンダーなどのウィジェットを,独自に開発できる。また,バックグラウンドで動作するアプリからのメッセージを,ポップアップ画面や画面上部のステータス・バーに表示させられる(図3)。

・Android NDK

 Javaの速度面でのボトルネックを改善するため,一部のコードをネイティブに記述できるようにする。Android NDKを使うと,C言語で一部のコード(libc関数や数学関数など)を高速に実行することができる。

Androidならではの魅力的なアプリが続々

 世界中で,Androidならではのアプリが続々と登場している。最後に,筆者が面白いと思ったアプリ3本を紹介する。まずは「Locale」というアプリ(図4)である。

図4●Localeの画面。スマートフォンの動作モードを居場所や時刻により切り替える
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図5●Cab4meの画面。指定場所にタクシーを呼び出せる
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図6●BioWalletの画面。虹彩認識や手書きパスワード認識を利用してデータを保護する
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 このアプリは,現在地や現在時刻に応じて,Android端末のモード設定を自動的に変更してくれる。例えば,オフィスについたらマナーモードを入れる,家に帰ったら待ち受け画面を家族の写真に変更する,といった設定が可能である。

 このようなアプリは,従来の日本製端末はもちろん,iPhoneでも作り得ないものだった。Androidフレームワークにより端末の機能をフル活用することで実現している。

 次に紹介したいのが,指定場所にタクシー呼び出すアプリ「Cab4me」である。(図5

 オレンジ色の「Call Cab」ボタンをクリックすると,近くにいるタクシーに自分の呼び出し情報が送信され,指定場所にタクシーがやってくる。指定場所は,GPSから現在地情報として設定することも,住所を指定することもできる。Cab4meは現在,Android版とiPhone版が提供されている。

 「BioWallet」は,虹彩認識や手書きパスワード認識により,情報やファイルを保護するアプリである(図6)。

 虹彩や手書きのパスワードを予め登録しておき,認証に使用することで,パスワードやクレジット・カード情報,ファイルや画像を保護する。カメラを使った虹彩認識や,タッチパネルを利用した手書きパスワード認証が画期的である。

今夏,Google主催の開発コンテストも

 今回の記事では,Androidの開発環境やその機能を一通り概観した。Androidの世界を垣間見ることができたであろうか。筆者の所属するアシアルは,iPhoneやAndroid向けのアプリ開発を手がけているが,一般的な携帯向けの開発と比べ,開発できるアプリケーションの幅が広がった,というのが実感である。是非,読者の皆さんにも,Android開発に挑戦してもらいたい。

 Androidアプリの開発者に朗報が一つある。米GoogleがAndroidアプリケーション開発のコンテスト「Android Developer Challenge 2(ADC2)」を開催することが,最近決まった。第1回は2008年1月に開催され,今回紹介したlocale,cab4meなど10作品が優勝している。

 ADC2は2009年8月に応募受付,10月中旬に第1ラウンドの結果発表,そして11月中旬に入賞者が決定する。詳しくは公式サイトを参照してもらいたい。

 次回は,Android SDKのセットアップと,簡単なアプリの開発に話を進めよう。

田中正裕(たなかまさひろ)
アシアル株式会社 代表取締役社長
PHP3.0時代にアルバイトを通じてPHPを知り,その興味が高じてテクノロジーベンチャーであるアシアル株式会社を設立。同社で,PHPを中心としたWebシステムのほか,iPhoneやAndroidなどのスマートフォンに関する技術支援/開発受託/サービス運営などを展開する。主な著書は『極める!PHP』(翔泳社)や『symfony×PHP』(技術評論社)。